神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2006年11月例会

11月28日も、お天気に恵まれました。もうすぐ12月だというのに、暖かくて風もなく、コートがいらないくらいでした。会の初めに、高出さんがご指導なさっている海外アーティストの版画作品を持参して見せて下さり、個性的な作品を鑑賞しつつ、まずは気持ちをほぐしました。仲間探しをしているというAさんのお話、大腸がんフォーラムや、地元の講演会の報告など、もりだくさんでした。


〇(Aさん 女性)2、3か月に1度、病院に行っているのですが、以前にそこで私と同じような、顎の骨のがんだと思われる人に出会ったことがあるのです。そういう機会は滅多にないので、勇気を出してお声かけし、色々とお話が出来たのですが、ちょうど2人とも同時にそれぞれの診察室に呼ばれてしまい、出てきた時には、もうどこにおられるのか分からず、それから2度とお会いできないのです。しまったと思いました。つい最近も、年恰好が私に似ていて、恐らく同じ手術をしたのだとわかる人がいて、術後のこととか、たくさん聞きたいなと思ったのですが、お声をかける間もなく、それぞれが診察に呼ばれてしまい、そのまま会えなくなってしまいました。口腔がんの人は割りにおられても、似たような下顎のがんの方は、本当に珍しいので、惜しいことをしたと思います。今度、もしお会いできたら、必ず連絡先をお渡しできるように用意はしているのですが。インターネットでも、同じような仲間を捜すのですが、なかなか見つかりません。だれか中心になって呼びかけてくれる人がいれば、同じ悩みを持っている人はたくさんいると思います。
〇(Bさん)女房の大腸のバイパス手術から、もうすぐ1年です。今、抗がん剤を続けていますが、マーカー値が下がらなくなっているので、薬を変えたものか、本人が心配しています。→(Cさん 女性)先日、「大腸がんフォーラム(雑誌『がんサポート』主催)」に行ってきました。タレントの大村崑さんが、17年前、たまたまお医者さんと知り合いになったことがきっかけで大腸がん検査をしたところ、初期段階で見つけることが出来たお話をされました。あと、医師の鎌田實さんのお話などもあり、全体を通して、まずます満足できました。一番興味深かったのは、夫も私も心待ちにしている「アバスチン」という新薬の認可についての最新情報です。来年の夏頃になる見通しだということでした。「アバスチン」に関しては、最初は今年の秋、その後遅れて年内という話だったのに、さらに来年夏まで...。会場からも、私の思いと同様「どうしてそんなに遅れるのか」という問いが多く、それに対して、「厚生省の担当人員が少ないから」との返答だったので、あきれてしまいました。フォーラムの総括としては、「病気に勝つには、情報戦に勝つこと。惑わされず、正しく新しい情報を手に入れること」だとのことでした。
〇(Dさん 女性)淡路でも、「緩和ケアを考える市民のための講座」があり、行ってきました。淡路には緩和ケア病棟がないので、県立病院の先生が中心になって活動されています。その中で、在宅ケアの話になり、病院の先生より「私たちのことを『主治医』だとおっしゃる患者さんも多いけれど、病院の医師は往診していないから、患者さんの家族関係、生活背景などが全く分からない。本来、開業医の先生こそが、主治医であるべきだと思う。」という発言をなさり、なるほどと思いました。でも考えてみると、私にはそういう近所の「行きつけの医者」っていないんですよね。私も、県立病院で担当して下さる先生のことを主治医だと思っていましたが、最近、ちょくちょく近所の先生にお世話になることがあり、開業医の先生の存在は大切だと気付きました。でも実際に、どの先生にお願いするかとなると、難しいんですよね。→(Cさん)思いますけれど、先生との関係も、徐々に育って行くものですよね。最初は単に「切った人 切られた人」なんですけれど、でもうちも4年経ち、今は「共に戦った戦友」という関係だと思います。治療のたびに「すみません」っておっしゃるのが、心からだと思えるのです。

※今月のお花... フユイチゴ(冬苺 バラ科) 東北南部以南の山地に野生する常緑性の小低木で、茎にはとげがない。11月頃から果実は赤く熟して食べられる。