神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年10月例会

例会当日23日は、秋らしい、暖かくて申し分ないお天気に恵まれました。今回も、新しい方が京都から1名おいでになりました。

・(Aさん 男性 新規) 京都から、昨夜この会のブログを見て、直接寄せていただきました。私自身はがん患者ではないのですが、5年前と2年前に、義父と実母を肺がんで亡くしました。その時、患者の家族として色々と感じることがあり、今何かできないかなど、考えています。今日はその勉強のためにと思って参りました。特に母を看取った時には、インフォームドコンセントや、セカンドオピニオンの問題を感じました。→(事務局 高出さん)確かに、今の病院には、患者の話を聞くシステムがないですね。将来的に、一つには病院の中に専門のコーディネーターをおいて、医者と患者の間に入り、生の声を拾うことが重要だと思います。
・(Bさん 男性)ぼくの女房は、2005年にS状結腸がんが見付かり、闘病の末、今年8月に他界しました。落ち込んでいる時に、全盲の旧友に誘われて、先日ソウルに行ってきました。ぼく自身が絵描きですが、彼も盲人の絵描きとして有名で、2年くらい前からソウルで開催されている「触る絵画の展覧会とワークショップ」http://www.konest.com/data/spot_mise_detail.html?no=262 のアシスタントとして同行したのです。短い間でしたが出会いも多く刺激的な旅でした。
・(Cさん 女性)私も夫が他界してまだ日が浅いのですが、最近は自分自身の悲しみというよりは、夫が残していったもの――たとえば夫の両親や、日本語を話せない孫など――を、私だけで支えることになったのだと実感しています。四十九日を終えて、次は百日ですが、涙は少なくなるものですね。受けた傷が大きいことは確かだけれど、自然に自分の中で癒えていくものなのかなと思っています。また、「自分自身の悲しみ」よりも、「思いがけず命が短くなってしまって、夫がかわいそう」という思いが今は強いですね。
・(Dさん 女性)私は2年前に異常が見付かり、最初良性とのことだったのに、6か月後に「悪性だから手術は出来ない」と言われ、2年間抗がん剤をしました。この夏には抗がん剤の副作用でずいぶん体調を崩しましたが、思い切って抗がん剤を止めてから、最近すごく元気で、徐々に体力がついていくのが分かるくらいです。それでふと、「そうなんや。病気だけれど病人じゃない。不運だったけれど、不幸じゃない。ラッキーなんや」って気付きました。そしてさらに、今まで「病気でも前向きだね」「えらいね」とか褒められるような患者を演じていたけれど「いい患者やるのも、やめよう。好きなことだけしたらいいやん!」って思えたんです。これは大発見でした。心の底から解放されたんです。
・(Eさん 女性)私は胃の手術をして3年です。抗がん剤はしていません。先日検便をしたら、プラスマイナスという結果で、「心配はいらないけれど、腸の検査をしておいてもいい。どうしますか。」と言われました。でも検査は色々怖い副作用があるとの説明で、今悩んでいるところです。
・(Fさん 女性)最近、友人が乳がんになったんです。医者が一目で「間違いない。がんだ。」って言ったらしいのですが、その言い方があまりにもそっけなかったのがショックで頭が真っ白になってしまったのだと。最初は私が「今まだ始まったばっかり。今はとにかく泣いてもどうしようもないけど、それが分かるまで泣いたらいいねんよ」など言ううちに、だんだん落ち着いて、その後、3年前に乳がんの手術をして元気になった友人も呼んで一緒に話すにつれて徐々に元気になってくれています。で、その友だちが「ここに来るのが一番落ち着く。家族の前だと、どこかで自分が崩れたらいけないという思いがあって。」って言ったんです。私がこの会に来るようになったのも、一つにはそれなんですよね。身近に言い合える場があるのって、本当に必要ですよ。
・(Gさん 男性)私も2月から4月まで入院しましたが。今の医者は本当に驚くようなことを言いますね。最悪の状態をぽんと説明するんです。「大丈夫、よくなります。任せて下さい。」なんて、決して言いません。医者も本心ではないでしょうが、訴訟の問題があって、自己防衛なのでしょう。そういう時にうろたえないように、またプラス思考になれるように、導いてくれるような人が身近にいると全然違いますね。
・(Hさん 女性)私は肺の手術を8年前にしましたが、やっぱりその前に、一生声が出なくなるかもしれませんとか、色々と言われましたね。この会には、少し元気になってから来ましたが、やっぱりここではすべて話すことができました。
・(Iさん 女性)私は、Dさんみたいに前向きになれなくて、マイナス指向で困っています。先日の受診で、質問したいことを紙に書いて行ったのに、言う順番が悪くて、3つめの質問のところで、「歯科衛生士に」って回されてしまい、大切なところが聞けずじまいで、失敗しました。病院では、同じ口腔外科の患者さんがたくさんいるのに、交流がなくて。ここでは、同じ症状の人はいませんが、やっぱり安心できます。大好きなカラオケは、続けています!
・(Jさん 女性)私は、私自身も家族もがん患者ではなくて、ここ数年通って、この会の記録を担当しています。最近ブログをつけるようになり、とりあえず月に1度は必ず更新しているのですが、見てお越し下さったと聞くとうれしいです。毎回の会の様子を、文字おこしのために何度も聞いては書き直す作業を通して、その場では聞き流していたことを改めて発見できるのはとても貴重で、とにかく今は続けることに意義があるかと思っています。

※今月の花...ベゴニア(シュウカイドウ科) ベゴニアの名はフランス人ミシエル・ベゴンの名に由来。日本では多くの種類が栽培されているが、大きく分けると、木立性・根茎性・球根性に分けられる。