神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年11月例会


27日火曜日は、曇りでしたが暖かくて、ストーブもいらないほどでした。今月も、新しい方を2名お迎えしています。ご友人のお手製というリッチなパウンドケーキの差し入れをいただきながら、話がはずみました。

・(Aさん 女性 新規)初めて来ました。2年前に卵巣がんの手術を受けています。3期の進行がんだとのことで、手術は7時間かかりました。退院後、予防のために抗がん剤を12回やったけれど、口内炎から脱毛まで、ありとあらゆる副作用は全部来ましたね。「もう先生、抗がん剤で殺されるわ。いりませんわ」って断りました。1年経ってCT撮ったら、再発して2センチになっていると。今度は漢方や、元の抗がん剤、さらに抗がん剤の薬を替えたりもしたけれど、効果が見られず再発部が大きくなり、「西洋医学ではもう治療法がない」と言われました。とにかく今は痛みがないし、もし痛みがきたら緩和ケア。それまでは検査を続けて様子を見るしかないかなって。先日も診察に行ったら、医者はもう明日にもあかんみたいな言い方をするんやね。「元気ですわ。まだまだくたばりそうにないで!」って言ったんやけれど。とにかく今は、食事療法しかないかなってことで、気を付けています。
・(Bさん 女性 新規)私も初めて来ました。2003年8月に乳がんと告知を受けました。手術は温存を希望したので、まずは抗がん剤でがんを小さくすることになり、10月から4クール受けました。1回目で髪の毛はばっさりと抜け、口内炎になり、今までしんどくなかったのに、身の置き所のない苦しさを味わいました。抗がん剤を12月まで続け、翌年1月20日に手術。病理検査は、浸潤性のがんだとのこと。手術の後も、抗がん剤を2クール、あと放射線を限度ぎりぎり50グレー受け、ホルモンに関する薬も処方されました。その後は順調でしたが、今年の10月に超音波で、6.7ミリの新たなものが見付かりました。小さいので日帰り施術で切除しましたが、検査の結果、奥にもある可能性があるとのことで、再度全身麻酔で手術してもらいました。その時の検査の結果が12月初旬に分かる予定です。現在、そんな状況です。この会のことは、以前におられた故河野博臣先生が出演されていた、NHKのテレビで知りました。
・(Cさん 女性)私も乳がんで、今年の3月の検査で分かり、4月中頃に手術しました。私の場合は、10年前に子宮がんをしていて、その定期健診の時にたまたま乳がん健診をしてみようと思い、発見できたのです。マンモグラフィーには映らず、エコーでした。幸いリンパには転移がなく、予防のために25回の放射線治療をして、その後は問題なく過ごしています。
・(Dさん 女性)私も乳がんです。27年も昔。その頃は温存療法など聞いたこともなく、抗がん剤とか、がんであることすら患者に言わないという時代でした。私の場合は、しこりを見つけたので、すぐにここの河野博臣先生のところに走ってきて。先生も診察して顔色が変わり、速やかに手配をして下さいました。さっきのBさんのお話しですが、温存療法をご希望されたとのこと。私は「なぜ」って言いたいです。今は「温存」とよく言われるけれど、私はお乳の一つくらい、と思います。それよりも命をいただくことで、その後の27年間は、本当に幸せです。病気をしたことで、命のありがたさや、生きる力をいただいたのだと、つくづく思っています。→(Bさん)私が温存にこだわったのは、見た目のことを重視したのではなく、すべて取ってしまうと、浮腫がひどくなるなどのデメリットがあることを知ったからです。当時は主人から「いいかげんにしろ」と言われるくらい、ネットで調べまくりました。今はネットに情報が溢れているでしょう。写真まで載っているから、いろいろと心配になって。それに、温存療法が今は主流になっているようです。→(Dさん)そうですね。今の情報はすごいですものね。私の頃のように、何もないのも、ある意味ではよかったのかもしれません。
・(事務局:高出さん)つい最近、兵庫県がん患者団体等連絡会ができました。兵庫県内の患者会が集まり、連絡会の中で情報交換をしつつ、県との話し合いの場を持つという活動をしています。そこで、いずみの会として、県や病院に対する要望をまとめておきたいと思っています。何かありませんか?
・(Bさん)私の主治医の先生は、総合病院を辞めて独立されるときに、「体が持たない」っておっしゃっていました。専門医が少なすぎると。専門医は増やしてほしいと思いますね。
・(Eさん 男性)ぼくの女房がホスピス病棟に入っていた時のことですが、ホスピスは本当にゆっくりと話を聞いてくれたり、痛みを取ってくれたりなど、そういう点ではいいんです。でも、何か問題が起こったときの、迅速な処置ができないことがあるんです。その点、一般病棟はとても対応が早くてさすがなのですが、看護師さんが話を聞いてくれないなど、精神的なフォローやケアがありませんでした。僕としては、一般病棟でももう少しホスピス的な要素があればいいなと思います。

※ 今月のお花... 千両(千両科) 常緑小低木。果実は葉の上のほうにつき、正月の飾りに欠かせない。果実が黄色のものは「キミノセンリョウ」と呼ばれる。