神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年9月例会


まだ暑さの残る今年の9月。25日火曜日は、昼頃一時強い雨が降りました。が、例会の始まる頃にはやみ、雨のおかげで窓からは気持ちよい風が入って来ました。
<近況報告>
・(Aさん 女性)大腸がんの手術から4年5か月闘病していた夫が、8月初めに亡くなりました。進行性でしたが、それでもまだ後1,2年は大丈夫と思っていました。万一の場合の覚悟はしていたからと口では言いますが、やはり現実は全然違いました。次男の言った言葉「命の長さは元々決まっていて、抗がん剤でそれを延ばしていたけれど、約束が違うからと、やっぱり持っていかれてしまったのかな」というのが、私にはぴったりくるように思えます。1か月くらいは落ち着きませんでしたが、ここ1週間程前から、ようやく自然に心から大泣きできるような状態になりました。今後もこの会には、来させていただきたいと思っています。
・(Bさん 女性)先月の例会に初めて娘と来ました。今年の4月に、子宮頸がんとの診断を受け、抗がん剤放射線治療の辛さで、すっかり精神的に落ち込んでしまいました。食事もとれず、5キロほども痩せました。今は食欲、体調も回復し、体重も3キロほど戻りました。病気をして「命なんていつまでもあって当然」ではなく「命は限られている」のだと思い知らされて、一日一日、今まで見えなかったものが見えるようになりました。それまできつい性格だと思っていた娘が、恐縮してしまうほど優しく気遣ってくれています。幸い検査の結果も良く、治療の効果があったと言われています。
・(Cさん 女性)今日はお休みされている、Dさんのことを、私からご報告させてもらいます。最初に、「ホスピスから来ました」と、凛としておっしゃった時、すごくインパクトがありました。私は、普通は強い人に合うと逆に落ち込む方なのに、なぜかDさんは、私に力を与えてくれました。私にとってこの夏は、抗がん剤の副作用で本当に辛かったのですが、Dさんからのメールに励まされながら、乗り越えることが出来ました。結局思い切って抗がん剤は止めることにしました。先生は賛成されませんでしたが、こんなに辛い状態では、生きていても意味がないと思って。昨夜、思いがけずDさんから直接我が家にお電話がありました。とてもしっかりしたお声で「みんなの世話になってばかりの私が、あなたのお役に立ててうれしいです。また元気になってきっと行きますから、皆さんによろしく。私は感謝して生きていくことの素晴らしさを、身をもって示していきたいのです。」とおっしゃっていました。本当に嬉しくて、眠れないほどでした。
・(Eさん 女性)3か月に1度の定期検査がもうすぐなのですが、いつも検査の前には気が重くなり、精神不安定になります。ですが、日常的には変わりなく過ごしています。
・(Fさん 女性)口腔がんの手術をして4年6か月。最近また口の中が狭くなってきたようで、食べるものが限られています。大好きなカラオケには、月に2回行っています。それが楽しみです。
・(Gさん 女性) 今年の夏は特に暑かったですね。9月の初めに、肝硬変を患っておられた親しい友人を亡くしました。お葬式でお見かけしたご主人はしっかりされていましたけれど、やっぱり夫よりは長生きしてあげないといけないな、なんて思いました。
・(Hさん 男性)偶然、Aさんのご主人が亡くなられた数日後に、うちの妻も逝きました。今の心境としては、妻の看病のためにひたすら動いていたのが、突然ぷっつりと切れてしまって、自分だけが慣性の法則のように、そのまま動き続けているような感覚です。今も外出すると、「早く帰ってきて」といつも言われていたから、急がなくちゃいけないような気がします。
・(Iさん 女性)最近、大切な人を亡くしました。2年前に自宅を建てた時に設計をして下さった方で、ご高齢にも関わらず、現役で次々と、個性のある住み心地よい家の設計をなさる方でした。最期は完成させたご自分の家の中の、一番お好きな緑の見えるお部屋で息を引き取られたと聞き、あの方らしいと思いました。

<ボランティア活動について教えて下さい。>
・(Cさん)私は多くの人に命を救ってもらって、たくさんのものをいただいているでしょう。最近、つくづく何か少しでもそれを返すことはできないかと思っています。患者にもできるボランティア活動などをご存知であれば、どうぞ教えて下さい。
・(Hさん)妻は、病気になってから、何か今の自分にも出来る事はないかと考え、カウンセラーをしていた友人の紹介で、京都市ファミリーサポートセンターhttp://www.pref.kyoto.jp/rosei/14600013.htmlの有償ボランティアをしばらくやっていました。妻の活動は、乳児の一時預かりでした。その頃、定期的に抗がん剤治療をしていて、体調が不安定だったので心配しましたが、事情を説明してご理解していただき、よい関係が出来、満足していました。ただし、いざという時のために必ず僕がサポートとして付いていて、それがなければ難しかったかもしれません。
・(Jさん 女性)ボランティアについては、今日はご欠席ですが、Kさんがよい先輩だと思います。ご自分の病気のご経験を生かして、有償ボランティアを長年なさいました。また、パール訪問看護センターhttp://pearl.kobe.fm/内にある「水曜の会」というボランティアグループも活発な活動をされていて、いずみの会のメンバーの方もおられます。どうぞご参考に。


※今月の花...秋明菊キンポウゲ科) 菊に似た花を咲かせるところから別名キブネギク(貴船菊)。花びらに見えるところはガク。古く中国から伝わり、漢名は秋牡丹。花言葉は忍耐。