神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2011年6月例会

6月28日は、ご病気のご家族を心配して来られた女性2名をお迎えし、最後にはいろいろな立場からの、心のこもったメッセージが集まりました。



<父にどう接したらいいか、わかりません>
・ (Gさん 女性 新規)父が、C型肝炎から、肝硬変になり、今、肝がんで、骨転移が心配されているという状況です。若い頃の心臓手術で、肝炎に感染しました。父は長くないと言われた言葉を信じ込んで、泣いたり、落ち込むばかりなのです。民間療法なども、できることがあればやってほしいのですが、本人は消極的なんです。
・ (Cさん)お父様のお気持ちは、私もよく分かります。ご家族のご心配も最もですが、落ち込んだ状態のときに、「この療法を」「この病院に」とかあれこれ薦められても、本人は「分かってはいるけれど、病気でしんどい上に、とても動けない」という気持ちになります。時間がないかも、という焦りもあるでしょうけれど、本人が納得していなければ、意味がありません。どうか、今のお父さんの状態を、そのまま受け入れてあげて下さい。私も余命半年と言われた時は、家族には、「泣いている私をそのまま受け入れて、辛い気持ちを言える場であってほしい」と思いました。
・ (Hさん 女性)私も、自分ががんになったときは泣きましたが、家族には普通に生活をしてほしかったです。当たり前に接してもらい、「話したかったら聞くよ」という態度がありがたかったです。口に出さなくても、娘の部屋にがんの本があったりして、心配しながら、考えて接してくれていたのだと思います。
・ (Iさん 女性)私も、家族として支えた立場ですが、やっぱり、本人の挑戦する力、生きたいという気持ちが一番大事です。家族は自然にしている..そんなことくらいしかできないと思います。
・ (Bさん 女性)私は、病気で辛い時、不眠になって落ち込んでいましたが、精神科に受診し、睡眠薬抗うつ剤を処方していただき、ずいぶん楽になりました。自分の力だけでは限界があります。辛い時には、薬の力を上手に借りてもいいのではないでしょうか。
・ (Jさん 女性)私は、臨床心理士なのですが、今のご意見は大事だと思います。がんの告知をうけた人は、かなりの割合で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になるそうで、アメリカでは、精神科やカウンセラーのフォローを受けるそうです。また、基本的には、患者さんのやりたい方向に行くしかないのですが、でもこうやって、娘さんがお父さんのために、今日ここに来られたことは、きっとお父さんに伝わり、いい影響になるはずだと思います。
・ (Dさん)できたら、患者さんの気持ちも聞いてあげて下さい。家族から「よくなって」と言われることは、ストレスになるのです。まずは、患者さんの気持ちをくんで、それを中心に動いてもらいたいです。治療ばかりが人生じゃないです。楽しいことだって、一つの治療ですから。


<自己紹介と近況報告>
・ (Aさん 女性 新規)自分ではなく、妹のことです。実は妹の前に、弟ががんになり、一旦は快復したのですが再発し、今年の5月に亡くなったのです。まだまだ生きるつもりで、本当に突然でした。弟のことでは、職場復帰が早すぎたのでは?とか、もっと違う治療方法が良かったのでは?など、いろいろと思いがあったので、妹には最善を尽くし、早いうちに良いものを始めたいと思っています。今、抗がん剤を2回終えました。食養内科にも興味があります。いろんな情報をいただきたいと思っています。
・ (Bさん 女性)友人たちと一緒の展覧会を、無事にぎやかに開催することができました。支えていただき、ありがとうございました。翌日には、お世話になった刺繍の先生の展示会のため、日帰りで東京に行きました。無理かと思ったのですが、自分の力に自ら感心しています。その後、抗がん剤の点滴を2日間ずつ、2回うけました。長年患ってきたがんが消えたと言われ、健康な生活っていったいどんなのだろう?という気持ちがある一方で、半分はまだ疑っています。安心せず、注意深くしていくつもりです。
・ (Cさん 女性)手術痕を、再縫合しました。局所麻酔でかなりハードでした。今は抜糸も済み、順調です。それから今日は、抗がん剤の副作用で脱毛して以来ずーっとかぶっていたかつらを、久々に家に置いてきました! すごく恥ずかしいけれど、すごく楽、すっきり!という感じです。これからは、これでいきます。ホルモン療法で気分が落ち込みますが、病院のスタッフの方々がとても親身で明るく、「予約がなくても、いつでも来たら良い」と言ってくれて、助けられています。
・ (Dさん 男性)父が入院し、その付き添いなどで忙しくしていたのですが、そのうちに、どうも皮膚に痛みが出てきて。最初は全く分からなかったのですが、水疱になり、皮膚科を受診して、帯状疱疹だと分かりました。抗がん剤をしている人には、珍しくないそうですが、なかなか病名に気付かない場合も多いらしく「よく分かりましたね」と言われました。抗がん剤をなさっている人は、気をつけられたらよいかと思います。私自身の治療は、ここ数ヶ月休んでいます。病気が改善したわけでないのですが、休むことも治療の一つという考え方です。講演会で、緩和ケアの先生が、「余命3か月という方ばかりを診ている中で、500人に1人くらいは、何の治療もせず、快復される人がいる。だからあまり悲観せず、希望を持って」とおっしゃっていました。→(Eさん女性)帯状疱疹は、私もやりました。肺がんの前に、半身だけ、神経に沿って帯状に出て、1年ほど痛みが続き、大変でした。「こういう時は重篤な病気が隠れているかもしれないから、気をつけて」と言われたのですが、本当にその後で、同じ方に肺がんが出たので、やっぱりと思いました。
・ (Fさん 男性)私は肺がんの手術をして、ちょうど2年になるのですが、振り返ると、私の命を支えて下さった先生は、13名にもなっていました。今は、ハイパーサーミアと、はすみワクチン、抗がん剤を中心に、免疫力を上げるよう心がけていて、最新のCTでは、小さくなっていると言われ、効果を実感しています。