神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2009年6月例会

梅雨の最中...前日まで雨だったのに、当日6月23日は、太陽が照り付けて蒸し暑いほどのいいお天気に。5月の例会は、新型インフルエンザの関係で中止されたため、2か月ぶりとなりました。まずは、新しく来られた方の「抗がん剤は急ぐべき?」との疑問に対して、いろんな意見がでました。

・(Cさん 女性 新規)息子の嫁から聞き、地元(富山県)にはこういう会があまりないので、今日はここに寄せていただきました。平成18年に大腸がんのため、東京の病院で手術を受けました。その後、昨年肝臓への転移があって再手術し、また今年の3月に、今度はリンパ節への転移が見つかり、手術はできないので抗がん剤を、と言われています。しかし、以前に予防のために抗がん剤を投与した時、かなり副作用が強くて。それで今迷っています。でも本人が言うのも変ですが、私、元気なんです。抗がん剤は早い方がよいのでしょうか。
・(Dさん 男性)私は3年前に、S状結腸がんの手術を受け、転移は大丈夫だといわれていたのですが、昨年、肺などに遠隔転移が見つかり、現在抗がん剤の治療中です。効果や副作用は人によって差があり、私の場合は結構効果がある一方、脱毛や粘膜系のダメージ(口内炎や痔)の副作用も強い方です。現在は3週間に1度のペースで、前半10日は辛く、後半10日で快復する..というパターンを繰り返しています。とにかく「辛い時は続かない、必ず楽になる」というのが支えです。抗がん剤を早くするべきかどうか悩んでおられる、とのことですが、緊急性はないかもしれませんが、やると決めておられるならば、早い方が良いと思います。私の場合は、腫瘍マーカーも下がったし、咳も出なくなり、辛いけれど効いているなあという実感がありました。今年に入ってからは、CT上は変化がありませんが、またマーカー値が上がってきていますが...抗がん剤は免疫力が下がるなど、いろいろと言われてもいますが、私は効果を実感しているので、これからは代替医療も平行しつつ、続けたいと思っています。
・(Eさん 男性)私は肺がんで、今年の1月に3度目の再発転移が見つかりました。今は全く治療していません。肺の場合は症状がなく、逆に治療によって症状が現れて、生活の質が変わってしまわないように、というのが今治療をしない理由です。代替医療か何かあればなあと思っています。Cさんも、今もし何も症状がないのであれば、別の方法も考えてみられたらどうでしょう。



・(Fさん 男性)一昨年に胆管にがんが見つかり手術しました。その後、1年間は抗がん剤もなく過ごしましたが、昨年になって再発転移が分り、抗がん剤を始めました。2種類の薬を、効き具合や副作用、体の状態を見ながら投与しましたが効果が見られず、検査の結果、もうこれ以上がんセンターですることはないと言われました。今は近所の総合病院に移り、症状が出た時の対処療法を主に、フォローしてもらっています。病院外で、ビタミンC療法と、先週から始めた鍼灸を続けています。この鍼灸がなかなか心地よくて、術後の引きつりがすぐに消えたり、浮腫みが引いたり、とても楽になって喜んでいます。全身のバランスを重視し、特に私の場合は毛細血管に血がたまっているのを元に戻すことが大切なのだそうです。・・・他には、イメージ療法ですね。河野博臣先生が前からなさっていた療法が基本です。いいことをイメージしたり、呼吸を整えたり。がんをマイナスに考えずに、明るい環境を作って生活することがいい結果を生むのではないかと思っています。ところで医者は、抗がん剤で治ると信じていないのではないかと思います。数字の上の結果だけを見て、「ここまできたら無理、どうしますか?」と逆に尋ねられる。医者から切られたら、自分で考えて選んで進めていかなくてはならない...。「高度な医療」という看板に偽りを感じますが、いかがでしょうか。→(Gさん 女性)日本の医療制度の問題点は、やはり患者会の力で運動を起こさなければいけませんね。がん対策基本法をきっかけに、政府がようやく動き出したのだから、横のつながりを持たないと。→(Dさん)治療には、お金もすごくかかります。患者は、身体的、精神的、そして経済的な負担が大きいです。→(高出さん)そうですね。それで今、兵庫県でも患者会が集まって「ひょうごがん患者連絡会」をつくり、月に一度定例会を持って、講演会や勉強会などの活動をしています。
・(Gさん)私もCさんと同じ直腸がんです。私の場合は手術してから足掛け10年たちました。未だに当時の先生から、「今、Gさんが生きてここにおられるのが不思議」と言われるくらいの、進行がんだったんです。手術もすぐにはできなくて、放射線で4回たたいてから、開腹しました。放射線で焼け爛れていますから、3か月間は人工肛門をつけたりもしました。そんな状態ですが再発はなく、がんは卒業できたと思っているのですが、実は開腹手術後の後遺症があって、腸閉塞には今も悩まされています。これについては、一生付き合っていかなくてはならないと割り切って、海外旅行に行くときも、主治医に英文で緊急時の対応を書いてもらって携帯しています。
《 城谷昌彦先生ご夫妻の、「がん患者さんのためのグループ療法」が始まっています。》http://drmasa.astone-blog.jp/
・(城谷ひとみさん )以前からお知らせしていますが、内科医の夫とともに、「がん患者さんのためのグループ療法」を始めています。これは、東海大学精神医学教授 保坂隆先生のプログラムを基に、サイモントン療法や、独自のアレンジを加えた療法で、がん患者さんの自己治癒力を引き出し、生活の質をアップさせるのが目的です。1回1時間半くらいで、この会からも2名の方がお見えになりました。まだ第一回目ですが、参加者の方々に恵まれ、皆さんのお話を聞いて逆に勇気付けられています。また2回目を7月から行いますので、よろしければご参加下さい。9月には、サイモントン療法認定トレーナーの川畑さんを神戸にお迎えして講習会をする計画もあります。9月の最後の土日、2日間ですので、ご興味がある方はどうぞ。
・(Aさん)私もCさんと同じく大腸がんの再発で、今は治療もひと段落して落ち着いていて、元気にならなくちゃという気持ちはあるのですが、体とのバランスが難しくて。そんな中で城谷先生のグループに参加させていただき「がんの細胞はほんの一部分で、元気な細胞の方が圧倒的に多い。つまりがんは全身症状に出ているけれど、体全体のものではない。」と教えていただき、心強く思いました。今、元気な時に、元気な細胞を発達させて、わずかな悪い細胞を押さえ込み、ストレスなく、自分の目標に一生懸命に向かうことを心がけています。それから、高出先生の素晴らしい木版画の個展を拝見したことに刺激を受けて、私の50年来の友だちと共に、二人展をやることを決めました。彼女は写真の専門家。私も刺繍を20年来やっていたもので、合同で来年の5月15日にやります。よい画廊をご紹介いただき、実現できることになってうれしいです。高出先生と城谷先生にお会いして道が開け、がんになる前の、「おっちょこちょいだけれど本当の自分」に戻れたなと思って喜んでいます。

今月のお花..高砂芙蓉(アオイ科) 中央〜南アフリカ原産の草本性低木。花期は7月〜10月。花は一日花、色は白色、大きさは4cmほどで、次々と咲く。風に揺れる様は風情がある。