神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2009年3月例会

3月24日は、空気は冷たいけれど文句なしの快晴でした。ご主人を介護なさっているという、新しい一名をお迎えして、13名が集まりました。
・(Aさん 女性 新規)61歳の夫が、肝内胆管がんの疑いだと言われていますが、はっきりとは分からないのです。持病の自己免疫疾患の病気の影響かと投薬していたのですが、改善しなくて。「腫瘍マーカーが高くがんの疑いがあるから、抗がん剤をしますか?」と言われて、とても迷っています。現在入院中で、足の浮腫とか、下痢とかで、体力も落ちています。細胞診ができず、良性である可能性もあるということなのです。今の病院には何十年も前からかかっています。セカンドオピニオンも紹介してもらって相談しましたが、見立ては一緒でした。とにかく「どうされますか?」と聞かれるのには困ります。→(Bさん 男性)私は一昨年の2月に胆管に腫瘍が出来たことが分かり、翌月、胆管とすい臓、胃の一部を切ってつなぎ合わせる手術をしました。1年後に転移が見つかり、現在抗がん剤をやっています。一時、下痢と発熱と腹痛で、かなり強い副作用がきました。何をする気力もなくなり、すぐにその薬は中止しました。薬の副作用は、我慢するにせよ、限界を超えると日常生活が送れなくなります。がんではない可能性もあるのに抗がん剤をするのは、リスクが大きすぎる気がしますが。
・(Cさん 女性)私も大腸がんの夫を介護しています。手術の後で、「抗がん剤や治療は、どうします?」と言われました。迷ってしまって、何人かのセカンドオピニオンにも行きましたが、言われることは違いますし...決めかねてそのまま何も治療せずにいたら、再発しました。今は治験の投薬を続けていますが、この先もう効かないと判断されて打ち切られたら、その時には他の病院に移るように言われていて、それが心細いです。同じ先生が、引き続き診て下さるのならいいのに。
・(Dさん 男性)先月初めて来ました。6年前に肺がんで手術を受け、4年後に気管支に転移し、放射線抗がん剤で治療、2年後、今年になってからの診断で、左の肺に転移が見付かりました。先日、セカンドオピニオンに行きましたが、あまりいい印象は持てなかったですね。予め「一般的な答えしかできない」と言われて。しかも、私の主治医の師匠にあたる先生なので、答えとしてはまるっきり同じでした。まだ治療は受けていません。とにかく生活を改善しようと思い、食生活や運動などに気をつけています。でも主治医にそのことを話すと、「そんなの関係ないで」と、患者に対する心遣いのない言葉に、翌日はすっかりやる気がなくなりました。抗がん剤は体力が低下するので好きじゃなくて。今、特に症状がないから思えるのかもしれないですが、代替医療があれば、そっちの方がいいし、このまま、もうしばらくがんばってみようかなと思っています。→(Bさん)体力は落とさないようするのは大切ですよ。だから生活を変えるのも大事です。→(Eさん 男性)私も、妻の手術の時に、何を選ぶかずいぶん迷いました。セカンドオピニオンとして相談した医者は、やっぱり同じ大学病院の先輩に当たるということで、「今の主治医のいうとおりにしてください」と、歯切れが悪くて。身内の医者にも意見を求めましたが、やっぱり主治医とはつながりがあって、どうも医者の立場を超えた声が聞けませんでした。
・(Fさん 女性)お医者さんって腕がいいのも大事ですが、「自分の手に負えない患者は、他に紹介することができる」というのも、ある意味では名医ですね。うちの近所の「田舎のお医者さん」は、年寄りに人気なんです。でもそのお医者さん、聴診器も使わず、とにかくよくしゃべる人で。うちの父も、そこから県立病院を紹介されて、膀胱がんが見つかったんですけれど。そこの診察室は、ドアから先生の前の椅子までの距離が長くて、患者はずーっと歩いていかなくちゃいけないんです。先生は診察室に入ってきた患者に「どうや!」って声をかけながら、じーっと見ておられるんですね。それで「こりゃ、ワシではあかん!」って分かるのかもしれないですね。→(S先生 歯科医)Fさんのおっしゃる田舎の先生は、「全人的治療」をされていると思いますね。私もそうですが、まずは患者さんが入ってこられた時に、目を見ます。それから全体を観察します。そして人間には言葉があるでしょう。これが大切です。しっかり問診すれば、それだけで病名が分かるほど多くのことが分かるはずなんです。
・(Gさん 女性)私は肺がんの手術を受けました。今年のはじめに定期検査があったのですが、転移、再発はないと言われました。冬の間も風邪もひかずに過ごせてよかったです。春から、私のためにこちらに戻っていた夫が、また仕事で東京に行くことになって。どうしようか迷ったのですが、私はやはり、今までどおりのお医者さまにかかりつつ、子どもたちと一緒にこちらに残ることにしました。
・(Hさん 女性)前にもお話しましたが、私は最初に大腸がん、その4年後、リンパに再発し、一応治療は終えたのですが、考えればまた転移するのでは、とか、不安なことばかり。だんだんしんどくなってきていたのですが、先日思い切ってフルートのコンサートに行き、楽しい時間が過ごせて、本当によかったです。それを機に、病気とばかり向き合うのはやめて、病気のことは先生を信頼してお任せしようという気になりました。4年で再発したでしょう。ということはこの後、4年は絶対再発しないと決めてしまおうと思ったのです。そうすると、4年後には72歳。72歳ならもういいかな〜って。そうやって逆算して、4年間で今までの趣味なんか、いろいろやろう!と思いついたのです。それで、ちょっと皆さんに自慢してもいいですか? これ、私の趣味だったビーズ刺繍なんですが、このすぐ近所のかばんやさんで、こんな革バッグに仕立ててもらいました。この会にきて、たくさん得るものがありました。感謝しています!

※今月のお花...アケビ(木通 アケビ科) 本州から九州の野山に自生する。果実は食用に、蔓は籠細工の良い材料になる。名前の由来は実が熟して割れたさまが「あくび」に似ているから。「あけ実」から転化したとする説もある。