神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2009年2月例会

 
午前中、雨模様だった2月24日。まだ水の跡が残り、空には雲が垂れ込めているものの、定刻になるとだんだんと人が集まって、いつもの和室が狭く感じられるほどでした。16人中、今回も2人の方が新しくお越しになりました。

・(Aさん 男性 新規)6年前に肺がんで手術しました。その4年後に、気管支に転移し、放射線抗がん剤で治療して、2年になります。先月の診断で、左の肺に転移が見付かり、余命1年との告知を受け、今はまだ動揺しています。治療を始める前に、セカンドオピニオンという制度を知り、できるだけ多くの意見を聞いてみたいと思うのですが、今の主治医がどう感じるかということが気になります。また、病院によって医大の系列があるようですが、同じ系列であれば、基本的な考え方は同じだから意味がないのでは?と気になります。今相談に行きたいと思っている病院は、系列が同じなのです。アドバイスいただけませんか?→(Bさん 男性)一言言わせて下さい。思い切って発想を転換して、代替医療に目を向けてみられてはいかがでしょうか。西洋医学は、がんを部分でとらえ、悪い部分は切り取るというもの。一方代替医療は、体全体で治すのが基本です。私自身は胃がんの2期と言われましたが、抗がん剤治療は中止して自ら選択する道を選びました。私の場合は、食事療法を基本にしつつ、ハイパー温熱療法もやっています。→(Cさん 男性)セカンドオピニオンは、どこの病院でも一般的に薦めているはずです。昔のように、主治医が気を悪くしないかというような心配はありません。→(Dさん 女性)知人の話ですが、その人のセカンドオピニオンは「患者さんが来るのは自由だからどうぞ」と言いつつ、実際に治療となると、医者同士の関係があって、二の足を踏まれたそうです。また私自身の経験としては、おっしゃるような学閥の存在を確かに感じます。他の意見を聞かれるなら、違う系列の先生をお尋ねになった方が有効かもしれません。→(Eさん 男性)納得いくまで、とことんセカンドでもサードでも探して聞くべきですよ。僕の経験から言えば、抗がん剤で肝機能が低下したことに主治医が動揺していたので、腫瘍内科のセカンドオピニオンに聞いたら「この薬はそれで当たり前。問題ないです。」とあっさりと言われて。同じ専門医でも、ぜんぜん違うのだと思いました。→(Aさん)大学病院は、縦のつながりがあっても、意外に横の連携がないから、普通の病院の方がチーム医療で判断が的確だ、と聞いたことがあるのですが、それはどうですか?→(Dさん)私も、確かにそう感じたことがあります。
・(Fさん 女性 新規)一昨年の12月に、主人が大腸がんだと告知されました。家族に説明があり、「末期だから手術できない」と。その時に、私だけが軽く呼び止められて「お母さん、あと3か月ですよ」と言われ、ショックを受けました。その後、紹介していただいた大きな病院でその話をしたら、「それはきっと、何の治療もしなかったら3か月、という意味ですよ。どうぞ希望をもってください。」と言われて本当に救われました。今、効果が期待できる3種類の抗がん剤のうち、既に2種類は効かなくなっていて。最後の1種類を受けながら、認可されるお薬を待っています。夫は元々穏やかな人だったのに、最近何かと文句が多くて。最近はずいぶん痛みが強くなってきたようです。東洋医学にも興味があります。自分の病気を受け入れて、考えを少しでもプラスに変えられたらと思い、こういう会で、他の人と思いを共有できたらいいなと思って来ました。→(G先生 整形外科医 女性)元々優しい方なのですね。それならば、痛みが強くなっていて、黙って我慢なさっているのかも。様々な療法を広く視野に入れられるのはとてもいいと思います。痛みに関しては、緩和医療は効果的だと思います。私も経験がありますが、痛みがあると、どうしても気分が前向きにできないものですから。
・(Cさん 男性)心の問題が出ていますが、サイモントン療法について、臨床心理士のHさん、ご説明下さいますか→(Hさん 女性)一言で言うと、自然治癒力を上げるために、心の平安な状態やその人の喜びや楽しみに注目する考え方です。がんの患者さんのみならず、誰にでも有効です。大切なのは「希望」。「希望」とは、「可能性がいくら小さくてもそうなりたいという気持ち」です。科学的な治療も平行しつつ、自らが良いと思ったものを取り入れ、楽しむことで、心の状態を良くし、免疫力を上げるのです。イメージ療法では呼吸を大事にします。息を吸う時にいいエネルギーを取り込み、吐く時に不要なものを排泄します。昨年度に引き続き、4月から神戸でまた勉強会が開催される予定です。
・(Eさん)私はサイモントン療法の勉強をしましたが、確かにいいと思います。治療の方は、昨年4月に抗がん剤を始めてから、あらゆる面で効果がありましたが、最近は少し効きにくくなってきたようで、ぼちぼち次の薬を考えることになりそうです。でもまあ、元気で仕事も出来ているし、食事も入りますし。すごいメタボで! 痩せたいのですが、抗がん剤で3キロ減っても、すぐに戻ります...。
・(Iさん 男性)私も、介護の仕事の経験を生かしつつ、妻を家で介護しました。私もFさんと同じく、「何もしなければ3か月」と言われてショックを受けたことがあります。その瞬間よりも、じわじわと後でこたえてきましたね。一昨年見送ったのですが、妻は最後まで、死んだらどうなるのかを気にしていました。自分なりの納得を探していたのだと思います。

※ 今月の花...花ニラ(ユリ科) 春を待ちかねたように高さ約20センチの花茎の頂端に直径3センチほどの星状の白い6弁花をつける。 中国原産で、日本へは9世紀ころに伝えられたという。ビタミンCなどを含み、食用になる。