神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2009年7月例会

testizumi2009-07-28

もうすぐと言われてからが長い今年の梅雨。7月28日は、雨は降らないものの、厚い雲の上にあるだろう夏の日差しは届きませんでした。いつもより少し少なく、10名が集まりました。
・(Aさん 男性)大腸がんの再発で、現在治療中です。最近のCT検査の結果、大きくなっていたので、新しい抗がん剤を始めることになりました。先週はそのために入院しました。幸いアレルギー反応もなく、すぐに使えるということが分り、効くことを願う日々です。やはり抗がん剤はあくまでも延命処置であると言われていて、効果がなくなって薬を替え、使える薬がなくなれば病院を離れ、代替治療や民間療法を中心に考えることになるだろうなあ...と思っています。が、希望を持ってがんばっているつもりです。
・(Bさん 男性)肺がんで、今年の1月に3度目の転移がありました。先月は治療せずにいるとお話しましたが、1か月ぶりに診察があり、主治医から「あまりにほっておくと薬が効かなくなることもあるから、治療を考えた方がいいな」と言われ、いくつか抗がん剤を提示されました。でも副作用が強く出る場合もあり、慎重に検討した方がよいとのことで、8月にCTを撮って診察を受け、見極めをする予定です。やっぱり副作用のことが気になります。先日の新聞記事で、抗がん剤をする前に、がん細胞の遺伝子を調べて、どの程度副作用が出るかの試験ができるとありました。できれば試してみたいなあと思っています。城谷先生ご夫妻のグループ療法に参加しています。人数が少ないのが少し残念ですが、勇気や安心感を得られて、主治医からも「以前よりも元気ですね」と言われました。精神的に落ち着いたようです。天気が悪くてもなるべく外出しています。
・(Cさん 男性)ビタミンC療法を始めて半年が過ぎたので、少し投与方法を変え、回数を週2回から1回にして、1回の分量を増やしました。点滴に3時間近くかかりますが、回数が減ったことで精神的には楽です。他には鍼灸を週に一度続けていて、体が軽くなり、浮腫がとれた気がします。
・(Dさん 女性)今、治療はしていません。毎月の検査だけです。検査が終わるとしばらく忘れているのですが、また検査の日が近づいて来ると、1人の静かな時間に不安を感じることがあります。脱力感があるのですが、本当にしんどいのかどうか、分らないのです。気力が出ないときは、体力もなく、休みなさいというサインかとも思うのですが...。みなさんは、気力がないときはどうされていますか?体力と気力は違うのでしょうか。気力がないときは体力もないのだから、体力の回復を待てばいいのでしょうか?私なんて重労働しているわけでもないのに、怠けているのかなって思ってしまうのです。C先生なんていつもお元気でしょう。→(Cさん)いえいえ、そんなことないですよ。私も、気力も体力もないことがあります。そんなときは無理せず、罪悪感も持たず、サボることにしています。1日何もしないでごろんとしていることもあります。と言っても、なかなかコントロールしにくいこともありますよ。うっかりして、優先順位が後先になって、最後に急いだりすることもあります。
・(Eさん 女性)最近大失敗したんです。口腔がんの後遺症で悩んでいるのですが、どうもいつもの歯医者が今1つなので、夫が通っている近所の歯医者に行ってみたのです。夫によると、時間をかけて丁寧に処置してくれていると言うもので。ところがそれが間違いでした。私の場合、5分も口を開けたままにしていると、噛みあわせがおかしくなってしまって、後が大変なんです。すっかり調子を崩してしまい、後悔しました。先日主治医にそのことを伝えたら、病院の歯科衛生士さんで対応して下さることになり、やれやれと思っています。他にも、リンパ腺が腫れてきたり、いろいろと気になることがあって...。やっぱり一生続くのかなあと思ったりしているところです。
・(Fさん 女性) 私はこの前、喜寿を迎えました。体力の衰えは、私はあまり感じないです。70歳半ばの頃の方が、「やっぱり70を過ぎると..」と思ったこともあったのですが。マンションの5階に住んでいますが、ゴミの日なんて3度くらい上り下りするのですが、大丈夫なんですよ。最近は夫の世話に時間を使うことが多く、何のために..と思うこともありますが。でもお世話する相手がなくなったら自分の気が抜けてしまうかもしれないし、この人がいるお陰かな...って思うようにしているんです。

<お2人の先生より、「気力と体力」についてのアドバイスを。>
・(下荒神先生:心療内科)私自身、気力をなくすことはよくあります。そんな時は、何もしません。心療内科には、そういう人がたくさん来られます。病気の範囲であれば、治療をします。例えばお風呂や食事など、日常生活そのものができないとか、また、何週間も気力低下が続く場合には、病気が疑われるかもしれません。でも、何もしたく無くなるというのは、誰にでもあることです。そういう時に無理をすることはありません。→(Cさん)しんどい時に、アリナミンとか、元気の出る飲み物ってあるでしょう。ああいうものはどうでしょうか?→(下荒神先生)ビタミン剤の液体は、ビタミン以外に少しアルコールやカフェインが入っていて、効いた気がするようです。錠剤ならば純粋にビタミンだけなので、筋肉痛などには効果があるでしょうけれど、精神的にはあまり期待できないですね。精神安定剤のたぐいならば、確実に快復しますが、しんどいときに薬を使うと、結局は無理していることになりますから、薬は使わず、休む方がいいでしょう。→(Dさん)アミノバイタルなんかどうでしょう。運動の前に飲んでいるのですが。→(下荒神先生)それは運動する場合については、理にかなっていると思います。悪くないです。スポーツ選手はそうしていますね。
・(酒井先生:歯科)人それぞれですが、私自身に関して自分の考えを言うと、私はしんどいことはまずないです。やる気が出ないのは、失敗を恐れるからだと思っています。私は、1日が一生だと考えています。これは私が考えたのではなく、昔からある教えです。朝目が覚めることが生まれること。夜寝ることが死ぬこと。朝目覚めた時に、今日するべきことを3つくらい考え、その3つは夜までにどんなことがあっても、失敗してもいいから、やりとげることにしています。それからもう1つ私が大事だと思うのは、医者が病気を治すのではないということです。医者はいかに免疫力を高めるかのアドバイスをするだけであり、自らの力が病気を治すと思っています。ポイントは免疫力と食べ物。よく噛んで食べること。人間は人間本来の姿に戻るべきだと思っています。食べ物でいいのは玄米。今日食べたものが翌日には全部体外に出て、たくさん噛まなくてはいけないから食べ過ぎませんし。体臭も消えます。


※今月のお花...秋海棠(シュウカイドウ科) 中国から江戸時代に渡来。 夏の終わりから秋にかけて淡紅色の花をつける。零下10℃に耐える唯一の耐寒性ベゴニア。