神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2008年1月例会

2008年1月22日、今年初めての例会は、新しい方を1名お迎えして、寒い中10名が集まり、語り合いました。

・ (Aさん 女性 新規)初めておじゃましました。昨年の5月に肺がんだとの告知を受けました。四期とのことで、手術や放射線治療はできないという診断で、抗がん剤治療を開始しましたが、最初の薬は合わずに中止。次は、治験薬を11月まで受けました。むかつきや下痢などはありましたが、1度も熱を出さず、最後まで続けられたのは、普段から体が強かったことが幸いしたのかなと思っています。11月初旬に退院した後は、3週間ごとに通院しています。今のところ抗がん剤の効果もあり、体調も戻ってきて、家事や旅行なども行けるようになりました。でも、何故こんなに末期になるまで気付かなかったのかなと思いました。最初に先生が言われた「延命をはかっていきます。あわよくば、治ってもらいます。」という言葉が少しの希望ですね。正直に言う、口数の少ない若い先生で、まずは開口一番「うちの病院でやりますか? かなり待たされますよ。他を自分で捜しますか?」って言われたんです。そんなことを言われてもどうしたらいいか分からなくて頭が真っ白になって。「待ちますからお願いします」って言いました。患者が多いからしょうがないのだなって思いました。抗がん剤をしてしんどい思いをしている最中も、「効いているかどうか、分かりませんよ。」って言われました。「治験だから、いつやめてもいいですよ。」とも。そう言われてもね。やめたあとのビジョンも何もないでしょう。結局最後までやって。それでも入院中はまだ良かったです。外来になってからのほうが、不安を感じます。
・ (Bさん 夫)ここに来るのは2度目です。潰瘍性大腸炎で、昨年秋、大腸をすべて切除する手術を受けました。私は医者ですが、激痛の苦悩の中にいると、医者だろうがなんだろうが、弱い存在なのだとつくづく思いました。手術の前後というのは、気分が高揚するものですね。初めての経験でしたが、すべてのことに感謝できるような気持ちになりました。でも人間って弱いもので、痛みから解放され、退院して普段の生活に埋もれてしまうと、それを忘れてしまうのですね。→(Eさん 男性)1人の患者となられてどうでしたか?→(Bさん 夫)優等生の患者さんになろうとする人って多いでしょう。私もそうでしたが、あまりの痛さに、その理性の枠が、すっかりはずれてしまいました。でもかえってそれが良かったと思っています。痛みはないにこしたことはないですが、痛みを経験することで成長する場合もあると思います。今は、「サイコオンコロジー」に興味があります。がん患者さんの心理面についての、医学的なアプローチです。
・ (Eさん)奥さんとして、ご主人をご覧になっていかがですか?→(Bさん 妻)快復してくれて感謝しています。がん患者さんの痛みとか背景とかを見ながら大事に人生送ってほしいです。今家で療養しているので、子どもたちは喜んでいます。自分で食事も作れるようになって、私が先立った時のよい訓練になっています!
・ (Fさん 女性)先月は通院日だったので欠席しました。CTの結果、問題ないとのことでした。あと2か月で5年になるのですが、元々5年経てば、口腔がんの手術痕の不具合が再手術できるように言われていたので、形成で相談したんです。そうしたら、「頬に脂肪をつける手術をするならば、背中の脂肪を取ってきて、10時間の手術になる」と言われたのです。主人が猛反対しています。私ももっと簡単にできると思っていたのでショックで。この事を皆さんにご相談したくて。→(下荒神先生)今のお話を伺う限りでは、お勧めはできませんね。背中からとおっしゃいましたが、そのようにするとしたら、全身麻酔で意識がない間に、体を裏返すことになります。それは手術としてのリスクが高いんです。10時間もかかるのなら、肺炎などを起こす心配もありますし。→(Eさん)手術の痕は、勲章ですよ。それにご本人が気にされるほどには目立ちませんよ。髪の毛で隠すとかも考えてみられてはどうですか? 術後に寝たきりになって筋肉が落ちることも問題ですし。→(Fさん)そうですね。止めておきます。ようやく決心がつきました。ありがとうございます。
・ (Hさん 女性)12月は、お休みさせてもらいました。「骨密度が低く、骨粗しょう症で脊髄の下の方が崩れている」と言われ、ショックを受けていました。でも今は腰痛も大したことなく、カルシウムの注射や薬を飲みながら、返って調子がよくなった感じです。1回大きながんのショックを通り越して30年近くにもなれば、少々のことは受け入れられますね。毎日ありがたいという感謝の気持ちを持って、平穏に暮らしています。
・ (Gさん 女性)1か月間、長男のいるメキシコに思い切って行ってきます。小学校入学を控えた孫に日本語を教えるためです。家を留守にする段取りや、持って行くものの準備など、大変なのですけれどね。

※ 今月のお花...サイネリア(別名シネラリア、フウキギク、キク科) 赤・白・ピンク・青・紫など花色が豊富で、冬の室内を飾る鉢物として欠かせない。原産地はカナリー諸島。寒さに弱いので室内で管理する。