神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2008年10月例会


2008年10月28日は快晴にめぐまれて、少し汗ばむほどでした。みなさんがお持ちより下さったたくさんの美味しいお茶菓子を前に、ご参加下さったお医者さん2名、歯科医師さん1名を中心に、贅沢な医療相談もできました。


<医療相談いろいろ>
・(Bさん 女性)私は、去年の10月から、抗がん剤放射線治療をたくさん受けました。今は元気なのですが、本当に元気なのか、不安なんです。抗がん剤を入れたということは、血管の末端、指先まで入ったのだと聞きます。それなのに割合元気なので、「これでいいのか?」と思いながら、でも心はちょっと弱っていて。心の身体がアンバランスになっています。今は治療を終えていますが、投与した抗がん剤放射線は、いったいどこへいったのでしょう?→(城谷先生)お薬である程度の効果を得るためには、血中濃度を高めなくてはなりません。だから投与中は体の隅々まで薬が届くことは間違いないです。でも終わると排泄されていきます。その名残がどの程度あるのか、副作用はないのか、ということを気になさっておられますが、部分的に、例えば肝機能だけとかをデータとしてみることはできますが、詳しく「指先のどこまで残っているか」ということを知るのは、科学的には難しいです。不安はあって当然だと思いますが、主治医が問題ないと言われているのであれば、それをしっかりと受け止めることが大事かと思います。あと、心が弱いとおっしゃっていましたが、ご自身の感覚というのは、非科学的ではありますが、とても重要です。「危ない、不安」というネガティブな感覚は、逆にマイナスに作用することもあり得ます。心のどこかで、「抗がん剤は体に害がある」というイメージがあるのかもしれませんが、心配したところでその心配が事実かどうか、証明するすべもないのです。とにかく放射線抗がん剤も、長年の実践でつちかわれたもので、信頼できる部分も大きいはずです。そして、ご自身が「心地よい」と感じることを重要視なさるのが大事だと思います。→(Bさん)なるべく外へ出るようにしているのですが、ちょっとハードかなと思うことあります。自分が疲れているのかどうかもよく分からなくて。でも家に帰ると、寝たくなるんです。怠けではなかと思うこともあります。→(下荒神先生)怠けではないですよ。「こんなに元気でいいのか」と思えるのはなにより。眠って快復するなら理想的です。危険なのは、寝ても寝ても余計にしんどくなる時です。
・(Cさん 女性)私は、下のアゴのがんで手術しました。骨やリンパをとっています。歯科医の先生にご相談したいのですが、今後のことで悩んでいます。術後の後遺症があって、最近は脂肪がつきすぎてしゃべりにくかったり、ひっかかったりといろいろ不具合があるのですが、主治医は、「脂肪を取るためには、また切ることになるから、もう触らない方がいい」とおっしゃるのです。→(Aさん 歯科医)最近はできるだけメスを入れなくなりました。私などが学生の頃とは、はるかに違います。主治医の先生のおっしゃる通りが、安全で正しいのではないかと思います。

<そのほか、自己紹介、近況報告など>
・(A さん 男性 新規)私は歯科医として40年開業してきたのですが、そろそろ誰かのお役に立てることをしたいと思い、学生時代にオーケストラで演奏していたフルートで音楽療法的な奉仕をしたいと考えています。そもそものフルートとの出会いは、昭和三十年半ばの、大阪フェスティバルホールのこけらおとしで初めて聴いたN響の吉田雅夫氏の演奏でした。還暦を迎えて、再度活動を再開しました。へたくそですけれど、フルートの音色が皆さまの癒しになればと思っています。→(事務局 高出さん)ありがとうございます。12月の例会で、是非お願いします。
・(Dさん)今は3週間に1度、抗がん剤治療をしていて、その関係で例会を2回お休みしました。3月に肺に再発した後、抗がん剤を始めて、4回投与ごとにCTで効き目を確認しています。最初の4回でCTを撮った時、一番大きいので2センチ、あとはみんな小さくなっているとのことでした。さらに4回投与後にまた確認したところ、一番大きかったのが消え、一方で新しいのが1つできている、と言われました。「え?そんなこと、あるの?」と、驚きましたが、やはり珍しいそうです。抗がん剤を否定する話はよく聴きますが、こうやって実際に効果が現れると、根拠がある治療なのだなあと実感します。抗がん剤だけで完治は不可能と言われていますが、私の場合、今後も効果があって腫瘍の数が減れば手術ができるかもしれないし、手術すれば完治の可能性が出てくるということですから、希望があります。副作用は確かに大変ですが、苦しいことばかりじゃなくて、その時にさえ我慢すれば、楽になるものですから、がんばって行きたいと思います。
・(Eさん 女性)私はおかげさまで、今体調はいいです。自分が本当にがんで手術をしたり抗がん剤放射線を受けたのが信じられないくらいです。副作用もなかったですし。あんまりものを考えなくなってきたかな...と思うほどです。
※ 今月のカット...錦秋 各地の紅葉も盛りです。色とりどりの紅葉が役目を終えてさらさらと舞い落ちる様を飽くことなく眺めていると、 自分も紅葉と一体となって自然に溶け込んでいくような錯覚を覚えます。