神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2010年1月例会

testizumi2010-01-26

空気は冷たいけれど風のない、穏やかな冬の晴れとなった今年最初の26日。年末の訃報があり新年のご挨拶は抜きでしたが、新しくお見えの方々をお迎えして、新しい気持ちで語り合いました。
・ (Aさん 女性 新規)昨年の秋、手術を受けました。前日まではぴんぴんしていたから、気持ちが沈んでしまいました。現在まだ治療中で、桜が咲く頃、とりあえず終わるまでは...と思っています。体がしんどいということもあるのですが、笑えない状態で。時間が必要なのかもしれません。一般的な治療方法とは違うのですが、私の考えに合っているので、この病気を専門にしている今の病院に決めました。
・ (Bさん 女性 新規)本で知り、ネットで調べて今日来ました。昨年の、乳がんの手術を受けました。退院後、抗がん剤治療がはじまり、あと2回残っています。その後、ホルモン療法や放射線治療などが続きます。私の周りで同じ経験をした人がいないので、なかなか解り合えず、メンタル面や自己管理、情報交換やアドバイスなど、いろいろな話を聞きたいと思って来ました。ヨガなどの運動療法にも興味があります。→(Cさん 女性)私も、もう30年ほど前になりますが、乳がんの手術をしました。その頃は抗がん剤もなくて..。幸いその後再発もなく、穏やかな気持ちで今日に至っています。
・ (Dさん 女性)私の知人で、大きな乳がんが見つかって手術と抗がん剤治療を受けた人がいるのですが、治療がとても効き、副作用も少なくお元気で、びっくりしました。私は夫を大腸がんで亡くしましたが、夫はずいぶん強い副作用に悩まされていました。今、夫の父が大腸がんで入退院を繰り返しているのですが、何度も危ないと言われつつ、持ち直しています。そんなことがあって、人による違いを感じたり、命って何なのだろうと、ちょっと考えてしまいます。
・ (Eさん 女性)私はがんの手術をしてから2年くらいなのですが、その間、自分を変えようといろんなことを試しました。野菜ジュース、玄米、太極拳、気功...。やっぱりすぐにやめてしまうものもあるし、自分が面白いと思えば続きますね。そうやって、新しい生活習慣がやっと身についたかな...新しい自分ができつつあるかな..と思っているところです。気持ちの方は、やっぱり落ち込むことは多くって。落ち込んだら、布団をかぶって寝ちゃったり、大好きなエッセイやコミックを読んだりします。岸本葉子さんの「がんからはじまる」や、「ちびまる子ちゃん」が大好きです。気分転換できて、「ご飯作ってみようかな」とか思えたらいいし、できなくても「ま、あまり何もしなかったけれどいいか」と思って次の日を迎えることにしています。私も婦人科の病気で4年前に手術したのですが、やっぱり開腹手術の後が、しんどかったです。
・ (S先生)私は、心療内科と麻酔科ですから、がんの専門ではないのですが..。最近、驚いたことがありました。肺がんの一期で転移がなく、手術で切除するのが第一という状況の患者さんがおられて。でもその方、元々肺の機能が悪く、手術できないと判断され、化学療法と放射線のみで治療することになったのです。予想に反して、2,3か月で見事に完治されたのです。特に放射線治療の精度が高く、効果が大きかったようです。必ず切除するのが一番とは言い切れないことを、目の当たりしました。
・ (Fさん 女性)今年の6月で、がん治療2年目を迎えます。その前にも治療していて、4年で再発しているから、今度も4年間は再発しないと自分で決めています。が、やっぱり具合が悪いと気分は落ち込みますね。とにかくよく眠るのが一番です。夜は9時には寝るようにして、朝は5時頃から起きています。最近は散歩をしています。家にずーっといるよりも、少しでも外の空気に触れた方が気持ちが軽くなるので。夫と二人暮らしですが、いくら口で説明しても、私の痛みが夫には分からないし、私だって夫の痛みが分からないし...。自分の痛みは自分で引き受けて、自分が楽になるように、いつも前に行けるようにと考えています。
・ (Gさん 男性)阿保徹先生の本を持ってきました。これによると、これからは「治療をしないがん療法」に変わるそうです。人間、元からある免疫力や気力を高めることが大切。中国のことわざ「医食同源」のごとく、食べることが一番。要するに玄米です。私もこの考えに賛成です。今の医学は、体を悪くします。薬は、半分が副作用だと思って下さい。昔、恐れられていた結核は、菌に効く薬が発見されました。でもがんは菌ではありません。ある日突然、細胞が変化するのです。生活が便利になり過ぎていること、核家族化して、人生の先輩の知恵が生かせなくなったこと...こんな変化も関係しているように思えます。知人の禅宗のお坊さんが、「最近の人は、「生」から人生を見ているけれど、「死」から見て下さい」とおっしゃっていました。健康とは、「大往生するため、眠るがごとく死ぬため」じゃないでしょうか。人間の性格はそれぞれですが、健康には笑うことが大切。また会話も大切。相手の気持ちを知り、自分の気持ちが伝わり、気持ちがいいでしょう。こうやって大切なことを見極めていけば、きっと将来、医療も変わっていくはずだと思います。
・ (Hさん 男性)1年ぶりくらいです。実はこの前にこの会に来た帰り、電車の中で電話があり、娘の夫が職場で骨折したとのことで、病院に駆けつけたのです。それから1年、つい先日、その娘が書いた落語の台本が受賞しました。娘がその表彰式の場で、「受賞した台本は、夫の入院中に考えて書いたもので、それがあったから辛い時期を乗り越えられた」と言っていたのが心に響きました。最近、僕が英語の先生に言われた「Live this moment」という言葉がとてもぴったりときました。昨年の暮れに、義兄の病気が知らされ、とても心配しているのですが、「Live this moment」で行こうと思っています。