神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2010年6月例会


梅雨の晴れ間となった6月22日は、日差しが出て蒸し暑い気候となりました。今回も、臨床心理士の城谷さんが、さわやかなイメージ療法で締めくくって下さいました。

・ (Aさん 女性)イベントを終えて、すごく元気になり、なんでもやれると思っていたのですが、ペット検査の結果、大きくなっていると言われてしまったのです。すぐに治療するべきかどうかは微妙だと。夫のことで、家でもいろいろと用事が増えていて、最近はほとんど毎日外出している状態なのです。すぐには入院できないので、一応9月に決めました。先延ばししても、後々、「何でもなかったね」と言えるだろうと、信じつつ、どんどんやるべきことを解決しておくつもりです。
・ (Bさん 女性)元気です。私もAさんと似ていて、介護とまでは行かないですが、夫の世話で、長時間家を空けにくい状態です。食事は必ず作り、ちゃんと食べるように促し、なるべく話しかけたり相談を持ちかけたりして、生活にめりはりが出るようにしています。この間、網戸が一枚壊れてしまって。以前ならば直してくれたのですが、もうできないのかなと思いつつ、道具などを揃えてみたところ、なんとか一人でやりだして。最後は手伝いましたが、ちゃんと完成し、「できたね!」と大喜びしました。そんな感じで、自分のことに気を遣っている暇がないのです。自分の疲れは、幸い一晩寝たらすっきりと治ってくれています。
・ (Cさん 女性)転居し、母との新しい生活が始まっています。母は認知症はないのですが、どうもこだわりが強くて、ちょっと大変です。つい自分の完全主義を要求しそうになり、いけないと思って言葉を飲み込んだり....という日々です。
・ (Dさん 女性)四万十川や桂浜に行ってきました。3日共バス移動だったのですが、元々良くなかった膝をすっかり痛めてしまいました。普通の旅行ではなく、俳句の会だからどんどん俳句を作らなくてはいけないでしょう。休めなかったためか、疲れもなかなかとれず、風邪をひいてしまったりもして。楽しかったのですけれどね。今話題の竜馬の像を見てきました。夜は蛍狩りもしました。
・ (Eさん 女性)この春から、東京に単身赴任している主人のところに、ひと月の3分の1くらい行っているのですが、昼間は一人で寂しいので、初めて六本木のがんサロンのようなところに行ってきました。東京だし人数も多いのかと思ったら、私も含めてたったの4人しか来なくて。でもそこで新しい出会いがあり、よかったです。六本木まで一人で出られるという自信にもなりました。
<教えてください 下荒神先生!>
・ (Fさん 女性)どうしても、夜が眠れなくて。朝早く目覚めたり、熟睡できなかったりと。熟睡できる方がうらやましいなと思っています。→(下荒神先生)寝られないという患者さんの中には、よくよく話を聞いてみると、原因が心因性であることがあります。そういう人は、いくら薬を飲んでもぼけーっとして寝られず、心の面での解決が必要なのです。でもそうではなく本当の不眠でしたら、薬が効果的です。睡眠薬というと、薬依存にならないかとかの先入観を持つ人がいますが、もともと眠れない人が眠れるようになるために処方するのですから、薬がなくなればまた眠れないのは当たり前なのです。それは依存ではないです。そのうち、薬なしでも眠れるようになる人もいます。
・ (Aさん) 9月からうける抗がん剤治療のことでいろいろと気がかりなことがあります。2年半ぶりの治療ですが、薬は進歩しているものでしょうか→(下荒神先生)それば、確実に違うと思います。年間で、何十種類も新しい薬がでるほどですから。→(Aさん)そうですか、よかったです。期待します。あと、点滴の漏れでとても辛い思いをしていて、私のは細くて破れやすい血管なのかなと、人の腕を見ては「いい血管でうらやましい」と思ってしまうのです。→(下荒神先生)本当に、点滴漏れは痛いですね。ちょっと腕を拝見します。・・・これならば、入れにくい血管ではないですよ。私は麻酔科が元々専門なので...。大丈夫ですよ。→(Aさん)そうですか。よかったです!


<ひょうごがん患者連絡会のご報告とお願いです>
・6月の講演会に行きました。
兵庫県立がんセンター 副院長の足立 秀治 先生による「がん医療の均てん化」 への取組みについて』
拠点病院で治療した患者さんが、連携して地域のお医者さんで診てもらえるようにするためのシステムです。情報の共有のため、連絡ノートがあったらいいのではないか、というお話もありました。
・7月の講演会に行きました。
神戸大学医学部付属病院 腫瘍血液内科 南博信教授による「がん薬物療法の現状と将来展望」について』
今までのがん薬物療法は、吐き気や脱毛などの副作用がありました。 分子標的療法は、そのような副作用がほとんどなく、がん細胞の重要な部分を狙い撃ちする新しいタイプの薬を用います。がん細胞の種類に応じて作用する薬を選択します。長期間の使用も可能です。しかし、全てのがんのタイプに使えるとは限らず、また副作用も全くないとはいえません。臨床試験により、どのがんの性質にどのお薬が合うのか、わかるようになってきました。また、新しい薬剤も次々と開発されています。これからも薬物治療と、それを専門とする内科医の育成に励みたいとのお話でした。臨床試験に参加された方の善意に感謝し、新薬に希望をもっていきたいと感じられる、素晴らしい講演会でした。
・アンケートのお願い...連絡会より、患者さんやそのご家族向けのアンケートがあります。随時お配りいたしますので、ご協力お願いいたします。