神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2022年4月例会

2022年4月26日火曜日、今年に入って初めての例会です。分厚い雲の下、時折り強い風が吹くあいにくの空模様でしたが、垂水区区役所 3階 (レバンテ垂水2番館)『会議室4』に6人が集まり、久しぶりの再会を喜び合いました。

 

<近況報告>
・(Aさん 女性)...私、もう二か月足らずで90歳になるんです。今は私がどんな90歳になるのかとわくわくしています。同じ月にひ孫も1歳の誕生日を迎えます。90年も差があるなんて、なんだか楽しくなります。心がけていることは、こけないように注意して歩くこと。あと、せめて新聞だけはしっかり読もうと実践しています。乳がんになってから40年を過ぎ、いったい何に守られてこんなに元気にしてもらっているのかと、本当に不思議な思いがしてね。毎晩、お祈りして寝床にはいった瞬間、ありがたいなぁとつくづく思うんです。それにしてもBさん、久しぶりにお会いしましたが、人が変わったように明るくなれましたね! 素晴らしい変化です!
・(Bさん 女性)...Aさん、そう言っていただき、うれしいです。私の近況ですが、おかげさまで今年の3月に孫の七五三のお祝いができました。娘家族が引っ越しした一戸建てもお披露目してもらいました。それと今はまっているのは、桂文珍さんの落語です。昨年、夫と公演に行き、「やっぱり生はいい!」と、夫婦ですっかり夢中です。そんな毎日です。私も元気な90歳を目指します!
・(Cさん 女性)...この春、久々に旅行に行きました。島根県、津和野の流鏑馬神事、とてもよかったですよ。京都や鎌倉の流鏑馬は知っていましたが、津和野は桜がきれいな季節で絵になるんですよ。安野光雅の美術館も行って、とてもよかったです。→(Aさん)津和野、鯉がたくさんいるところですよね。行ったことあります。→(Cさん)そうです! 私も文珍さん、よく見ますよ。やっぱり生が一番ですよね。
・(Dさん 女性)...桜は、家の近くだけでも十分楽しめました。家で楽器の練習をしたり、俳句作りをしたり、自分なりの目標とか締め切りとかもあり、すぐに時間が過ぎていく充実感が幸せです。
・(Eさん 女性)...旅行や映画、お芝居などに行って楽しんでいるのですが、お芝居がきっかけで、朗読の勉強を始めました。私以外はみんな現役の劇団員で、レベルが高く、先生の指導も厳しいです。テキストの小説を順番に読むスタイルで、まずは漢字が読めること、そして文章を理解することがポイントです。さらさらと読めることより、文章の意味を理解して読み方にめりはりをつけるのが難しいんです。挫折しそうかも..と思いながらもがんばっています。先生に「あなたの声は明るい」って言われたことは、うれしかったですね。発声の前にしっかり運動をするのですが、それも体よさそうです。それと、四月から生涯学習大学に通いはじめました。大学らしい、すり鉢状の教室で講義を受けています。→(Aさん)そういえば私、すり鉢状の教室で講義をしたことがあるんですよ。広島大学の医学部の学生さんたちに、がんの体験談を語りました。すり鉢の底から上に向かってみなさんの顔をみながら話をするのは、圧力よりも開放感があるんです。緊張が吹っ飛び、原稿にないことまでどんどん語りました。とっても不思議で、楽しい思い出ですよ。→(Eさん)いいですね!体験してみたい~! 
・(Fさん 女性)...前回の例会でお知らせをした私の個展は、おかげさまで無事に終えることができました。終わって1か月はほっとして、時間がゆっくり流れるような気がしました。今は初心者茶道教室に通いはじめています。教えてもらうのは楽しいです。そのうちに壁に突き当たりそうですが、がんばります。→(Cさん)茶道、少しでも作法をしていると違いますよね。動きが理にかなっているって思います。

<いずみの会について思うこと>
・(Eさん)...最近のいずみの会は、同じ顔触れで世間話が多いでしょう。私も世間話はしますが、遺族としての悲しみを抱えており、とても辛い状況です。そういう話は、なかなかできる場所がありません。「元気そうね」と言われることがありますが、ぜんぜん元気じゃないってことは、わかってもらえません。心の中は氷があるみたい。だからどうしてほしい、ということではないのですけれどね。
・(Cさん)いつでも痛みを聴いてほしいと思えば、しゃべっていいと思いますよ。それぞれみんな違いますから。私も立ち直っているわけじゃないです。Eさん、よくがんばっておられると思いますよ。
・(Dさん)察することができますが、楽にしてあげるのは難しいです。何気ない会話の中にも癒しはあるのではないかと思います。
・(Aさん)私は患者でもあり遺族でもあります。私も夫を亡くしたことが辛く、空を見上げて自分でおさめるしかない時があります。だから共感しますよ。