神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年2月例会

やはりまだ2月。27日は、風はなく穏やかですが雲が多く、いつもの3階の明るい和室も、なかなか太陽の光だけでは暖まりませんでした。今回も、インターネットの情報をみて、新しい方が一名来て下さいました。

まずは簡単に自己紹介しましょう。
・(Aさん 女性)私は肺がんで手術しまして、もう7年になります。こちらにお世話になって4年ほどです。
・(Bさん 女性)悪性リンパ腫です。もうすぐ病気が分かってから6年になります。1年近く入院しました。最近は、定期受診の間を開けてもいいと言われていますが、行くのはいやでも、行かないのも不安で。先生からは、ずーっと「灰色の状態」と言われ続けながら、普段は痛みもなく過ごしています。退院してすぐにこの会に来るようになったのですが、初めは悲壮な雰囲気でした。でも、徐々に平静を取り戻せたのは、この会のおかげだと思っています。
・(Cさん 女性)3月で、口腔がんの手術をして4年になります。難しい手術でしたが、再発もなく過ごしています。ただ、術後の後遺症には今も日々悩まされています。筋肉の移植手術により、腹筋が無くなったことによる様々な弊害、口の手術痕の噛みあわせのトラブル、浮腫、それに関連して、肩こりなどです。
・(Dさん 女性)前回初めて参加しました。去年8月末に、胆管細胞がんの手術で、肝臓半分と胆のうを切除しました。2か月入院しましたが、その後は特別に何もなく過ごせています。でも完全というわけではなく、週に1度抗がん剤を投与しています。薬の副作用や、後遺症はありませんが、私も手術で筋肉を取ったため、腰痛があります。腹式呼吸がいいと知り、声を出して本を読んだりしています。
・(Eさん 女性) 夫が大腸がんの手術をしました。3月で、まる4年になります。現在抗がん剤による治療中です。副作用に苦しみながらも、覚悟はしつつ、希望を失わず、バランスをとりながら毎日暮らしています。

新しい方をお迎えして。
・(Fさん 女性 新規)昨年の9月に、夫が食道がんの手術をしました。そのことに私が非常にショックを受けて、家に閉じこもってしまったので、息子が私のためにインターネットでこの会のことを調べて、行くよう勧めてくれました。異変を感じて受診し、即大病院への入院、手術が決まりました。その1か月前に、会社の人間ドックを受けていたんですよ。なのにどうして...と動揺しました。入院は2か月半。食べたい気持ちがあっても、3割か4割程度しか入らず、8キロも痩せてしまった姿は、本当に見ていると可哀想です。それなのに、2週間前から、会社に復帰したのです。話ができるのは遠方にいる妹だけです。友達には、なかなか話せないものですね。ここで主人に死なれてしまったら、一人で残された私はいったいどうしようと思ってしまって...。
・(Dさん)そんな!死にませんよ!私はFさんのお話をお聞きしていて、ラッキーな方だと思いましたよ。がんが見つかったんだし、手術はできたし、こんなに早く職場に戻れたのだし。私は最初手術が出来ず、抗がん剤に頼るしかない状態で1年間病院に通いました。だから、「手術できます」と言われた時は本当にうれしかったんです。今はつくづく、幸運だったと思っています。ものは考えようですよ。いろんな人に話してみると、病気してる人って多いもんですね。同じ病気でなくても、大きな手術をしたことがある人だと、涙を流しながら共感してくれます。そうなると、以前は自分がいかに親身に人の話を聞けていなかったかが、今になって分かります。主治医の先生が軽い調子でおっしゃった「アンタの余命なんて知らん、アンタががんばって生きたら、同じ病気の人の平均余命が延びるから、がんばりや」という言葉も、ありがたかったです。本来楽天的な私は、「それでいいんやなあ」と、気楽になれました。

・(Bさん)結局は「日にち」ですよね。日にちがたつと冷静に見られるようになるんです。そして一番思うのは、「辛いのは自分だけじゃない」ってことですね。それは、必ずしも病気に限られたことではないと思います。最近、江原啓之さんの「宿命は変えられないけれど、運命は変えられる。」という言葉を聞いて、「そうか、私もそろそろボランティアでもやってみようかな」という思いになりました。何か出来る事がないか、探し始めています。
・(Aさん)私もものすごくひどかったですよ。手術の後、放射線を受けましたから、食べられなくて、10キロ痩せました。ここに来た頃は、まだまだでしたよ。検査の度に、何を言われるのかと心配で、病院に入る時は重苦しい気持ちでした。何もなくて病院を出る時には、一転して心が軽くなり、青空がきれいに見えたものです。それを繰り返し、5年経って先生から「よくがんばりましたからね」と言ってもらいました。だから、手術をして半年なんて、まだまだです。やはり私も時間が大切だと思います。

今月の花...パンジー(スミレ科)花色が豊富で、花壇や鉢植えに人気が高い。小輪は小輪パンジーまたはビオラと呼ばれる。語源はフランス語のパンセ(物思い)から。明治大正時代は、三色スミレと呼ばれた。