神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年5月例会


 5月22日は、半そででもよいほどの、とても気持ちのよい五月晴れになりました。事務局長の高出さんが久々にお元気な姿を見せて下さり、にぎやかな会合となりました。なおAさんがご入院中のホスピスは、医療法人協和会 第二協立病院 http://www.kyowakai.com/d2kr/d2kr.htm  〒666-0033 兵庫県川西市栄町5番28号 Tel: 072-758-1123(代表) Fax: 072-758-1124(代表) です。ホスピス長をなさっている松岡國雄先生は、2002年秋から2003年春にかけて、何度かいずみの会にお越し下さっていました。


<新しい方が2名来て下さいました>
・(Aさん 男性)松岡國雄先生のおられる、川西市の第二協立病院-8階のホスピスに入院しています。私は7年前に、400万人に1人という大変珍しいがんになりました。放射線治療によりほぼ完治し、経過は良好だったのですが、昨年の10月頃に異変を感じ、今年の1月の検査でステージ4との診断を受け、余命6ヶ月であると告知されました。今はモルヒネにより疼痛管理をしながら、入院生活をしています。治療はしていませんが、核酸を飲んでいます。
・(Bさん 女性)3月に、直腸がんの手術をしました。でも手術よりも怖いと思ったのは、抗がん剤です。主治医は「手術の後2年間抗がん剤をする」と、まるで決まりごとのように言い、副作用が出たことを訴えると、「誰でも飲んでいるのにおかしい。こんなに根性がないなんて信じられない」というようなことまで言われました。「その先生の言い方の方が信じられない!」と思った私は、セカンドオピニオンを見つけ、「無理をしてきつい薬を飲むことはないでしょう」ということで、今は違う薬を続けていて、調子はいいです。現在、とても元気で歩くこと、美味しく食べることもできているのですが、私は、1年や2年寿命が短くなったとしても、こういう人間らしい生き方をしたいと思っているので、今の選択に満足しています。元気な人にいくら話しても分かってもらえないという思いがあり、この会の存在を探して、今日初めて参加しました。

<近況をお知らせ下さい>
・(Cさん )いろいろとご心配おかけしました。26年前に胃がんの手術をして、その後再発もなく、がんとは縁が切れたと思っていたのですが、2月に下荒神先生に異常を見つけてもらいました。胆管の腫瘍が分かり、11時間にもわたる手術を受けました。幸い転移がないので、抗がん剤はしていません。一時期は6キロくらい痩せましたが、食欲もあり、ほぼ戻りつつあります。入院中は、河野博臣先生のイメージ療法を思い出して、よくやっていました。じっとしていると知らず知らずのうちに呼吸が浅くなって胸が苦しくなるんですが、深呼吸をすることで楽になります。今は、週に一度、パール訪問看護センター所長の藤本さんたちと共に、運動公園で郭林新気功http://homepage3.nifty.com/kakurinj/index.htmをしています。また、バイオラバーhttp://www.yamamoto-bio.com/yamamoto_j/medical.htmlという布を、患部にずーっと当てています。一種のおまじないのようなものですが、これでよくなればうれしいなと思っています。
・(Dさん 男性)前回、妻が人工肛門の手術をした話しをしましたが、あれ以後落ち着いています。腫瘍マーカーがほぼ倍になっていて、早く新しい薬につなげたいと思っているのですが、使えるかどうかは疑問です。もともと精神科の病気もあるので、本人がうつ状態になっている時に、ぼくも巻き込まれないように気をつけています。→(Bさん)ご本人よりも、ある意味ではご家族の方が辛いと思いますよ。私も、自分では覚悟が出来ていても、子どもたちの方が落ち込むようですし。でもそうやってご主人がサポートされているのは、とてもうらやましいです。
・(Eさん)主人が10月に手術をしました。5か月後から会社に復帰し、3月のレントゲンでは、異常はなかったのですが、4月24日のレントゲンで、転移していることが分かりました。今後の抗がん剤のために、ポートをつける手術をする予定です。1週間に1度の通院スタイルになるとのことです。→(事務局より)最近は、セカンドオピニオンを依頼している人も多いです。治療方法も本当に千差万別です。息子さんとも協力しながら、よりよい情報を見つけて下さい。

<Aさん、ホスピスについて教えて下さい。>
Q:Aさんが今日ホスピスから来られたことには、正直驚きました。外出しても、痛みのコントロールはかなりできるものなのですか?
A:頓服のモルヒネを常備しています。私の場合は全身に転移していて、もっとも痛みがひどいのは、腰と背中ですが、疼痛コントロールで痛みはほぼ無くなります。ただ、鉛が張り付いたような不快感まではとれません。しかしじっとしていてもしょうがないし、そんなことばかり考えていたら気がめいってしまうので、こうやって外出しているのです。ここに来たいと思った一番の理由は、医学ではできないことを克服するためです。健康な人と会話していても「がんばって下さい」と言われるだけですが、同じ思いをしている人たちと話すことで、何かよい方向が見付かると思っています。
Q:その精神力はどこから来るのですか?
A:死について言えば、私は「人間は死んでも魂は残る」と思っています。だから死は1つの通過点だと思うのです。今は、自分が死ぬとは思えませんし、生きているかぎり、常に感謝の気持ちを持って、多くの方に何か奉仕したいと思っています。最初に発病した時はこういう考えはできませんでしたが、再発してから捉え方が変わりましたね。松岡先生はご自身が膀胱がんをなさっているから、よく理解して下さるのですが、いつも「がんと共存していきましょう」と話しています。深刻に考えないようにしつつ、病気を克服し、奇跡を起こして社会復帰したいという気持ちを持ち続けています。
※今月の花...ムラサキカタバミ(紫片喰 カタバミ科) 南米原産の帰化植物で、よく繁殖する。葉は三枚のハート型を合わせた形。同じカタバミ科に花色の黄色いカタバミ、外来園芸種のオキザリスなどがある。