神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年6月例会


 6月26日火曜日は、汗ばむほどの蒸し暑い日になりました。急な気候の変化のせいか、体調を崩してお休みの方々もおられる中で、先月お休みだったDさんが、登山初体験のお話しを楽しく語って下さいました。また今月も、新しい方を1名お迎えしました。

<お話しから抜粋>
・(Aさん 女性 新規)Gさんの近所に住んでいます。昨年の12月26日に、直腸がんの手術をしました。ステージは1だったと言われました。その後、薬剤師をしている娘が漢方薬を教えてくれて、それを煎じて飲んでいます。(※詳細は最後に記載しています。)保険は効きませんから高価ですが、主治医の先生に、「思っていたよりも良い状態です」と言われたので、その薬が効いているのではないかと思っています。周りの皆に助けてもらいながら、体も元気になっています。

・(Bさん 男性)先月初めて来てから一か月ぶりに皆さんに再会できました。前回お話ししたように、私は大阪府川西市の協立病院のホスピス病棟に入院しているのですが、今朝、病棟長の松岡先生に呼ばれて「今日はいずみの会でしょう。ぜひ行って下さいよ」と、外出許可をいただきました。実は、今月の7日くらいから体調が非常に悪くなり、食事が全く摂れなくなって、全て点滴という日々を過ごしました。今は食べられるようにはなりましたが、体重が一気に15キロ減ったので、歩くにもふら付くような状態になりました。横になっても辛く、夜は眠れず、睡眠薬の点滴をして過ごしました。MRI検査によると、がんは大きくなってはいるけれど、転移はひどくないとのこと。これは、前回お話した「核酸」の効果ではないかと思っています。今年の1月に余命半年と言われて今が6月でしょう。本当なら、もう尽きる命のはずなのに、こうやって元気に来られているということに、生きることの素晴らしさを感じ、1日1日を大切にする気持ちがますます強くなりました。私の命は、どちらにせよもう助かりません。あと何回ここへ来られるかも分かりませんが、生きている限りは出席して、心から病気を分かち合える方々とお話ししたいと思っています。

・(Dさん )先月はお休みしました。6月に、友人に誘われて、山の会に参加してきたんです。10人くらい集まったメンバーは、皆さん私より年上なんですが、行く気まんまんですごくパワフル。目指すのは、四国の雲早山です。行ってみると雨がやんでいて、登ることになりました。初心者だから、先頭のベテランさんの後ろについて歩き出したんですが、早くはないけれど、乱れないペースで、突然急な坂だったもので、すぐに心臓がバクバクし始めました。とにかく尾根になったところをひたすら登りましたが、3、40分したところで、「もうダメです!」と手を挙げ、崩れるように座り込みました。するとみんなが集まってきてくれて「無理せんでいいよ」「これ食べて、元気を出して」と、温かい言葉と共に、乾燥梅干とか、チョコレートとか、黒砂糖とか、体に良さそうなものをたくさん下さって。元気回復して、再度歩き出したら、またすぐ10歩くらいでしんどくなったんだけれど、でも逆にうれしい気持ちになって。みんなに励まされてつくづく「ああ、生きているから、こんなところに来られたんだなあ」って思えたんです。そんなこんなで、とうとう上に着いたら、360度展望できる見事な見晴らしで、雲海がかかる景色に、時々ぱーっと日が差して、本当に感動的でした。病気する前に比べたら、感動することが多くなりました。本当に楽しかったです。

・(Eさん 女性)2泊3日の短歌の会に、初めて参加してきました。岐阜に行き、岐阜城や、鵜飼を見てきました。岐阜はいいところですね。古い町並みもあって。短歌を作らなくてはいけませんから、大変でしたけれど。楽しんできました。

・(Fさん 女性)前にもお話ししましたが、サイモントン療法という、心理療法の実習に参加しました。私が出たのは、実習生の部で、全6回です。まずは「あなたの楽しみは何ですか」「あなたの喜びは何ですか」というところから実行していきます。私のペアは、4年前にがんを患って、余命半年と言われたという人でした。今は多忙な生活になっているから、気持ちを改めるつもりで来られたとのことでしたが、その方のお話を聞いていると、病気を忘れるくらい打ち込めるものをみつけた人はすごいなと思いました。私自身は、子育てをしていてすぐに「〇〇しないとだめ」という発想になってしまうんですが、時には発想を逆転してみることも必要だなとつくづく思いました。

・(Gさん 女性)いままでずーっと、体重が増えないことを気にしてましたが、最近急に1キロ増えたんですよ。また、近所の老人会のカラオケ部にも入りました。病気をしてからすっかり無理だとあきらめてましたが、最近また再開出来て、すごくうれしくて。歌いまくって帰宅したら顔が腫れてる...ってこともあるのですが、それでも爽快で、とにかく楽しいんです。病気のことも何もかも、全部忘れます。 ちなみに私のレパートリーは、少し古い演歌です!

・(下荒神先生)この頃、診療にずいぶん疲れているんですが、今日のBさんのお話しを伺って、「今日1日1日を、がんばって生きなくちゃいけないなあ」と励まされました。ありがとうございます。


・・・・・お知らせ いろいろ・・・・・
・しばらくお休みが続いている Oさんより、6月1日に高出さんのところにお電話がありました。大腸にポリープが見付かり、手術のための入院の順番待ちをなさっていると。お声はお元気だったそうです。
・文中にありました、Aさんの飲んでおられる漢方薬の名称は、「天然樹木茶 タヒボNFD」です。輸入、製造元は タヒボジャパン株式会社(http://:www.taheebo.com/)だそうです。
・いずみの会に、「いずみの会文庫」が出来ました。様々な分野の本を揃えています。現在のところ70冊ほどで、簡単な貸し出しノートで管理します。どうぞお気軽にご活用下さい。


※今月の花...すいれん(睡蓮 スイレン科) 池や沼で見られる多年草。温帯性と熱帯性がある。花色は豊富。葉は水面に浮き(浮き葉)、花は水面で咲き、夜間は閉じる。