神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2007年7月例会

 7月24日火曜日は、梅雨明けして雲一つない見事な青空となりましたが、さわやかな天候だったので、いつもどおりクーラーのない3階の和室で行いました。今回も新しい方が1名お見えになりました。

・(Aさん 女性 新規)インターネットでこの会のことを知りました。私は平成10年に受けた子宮がんの手術後、ずーっと問題なく元気だったのですが、今年の3月に、定期検査の際、ついでにと受けた検診で乳がんが見付かり手術を受けました。私の場合、触診でもマンモグラフィーでも分からず、エコーに映った小さな影のみでの発見で、保健所レベルの検診では、見落とすほど奥深いところだったそうです。こんながんもあるのだと初めて知り、落ち込んだりもしましたが、元々風邪もひかないくらい元気な性質なので今は術後の経過もよく、普通に生活できています。
・(Bさん 女性)お久しぶりです。私は、大腸がんの術後の後遺症を治すために思い切って再手術を行い、5月から今月にかけて、念願のヨーロッパ旅行に行っていました。しかし向こうでまた例の症状が再発、救急車初体験をすることになってしまい、なかなかスムーズに対処してもらえず、大変辛い思いをしました。けれどももちろん、素晴らしいこともたくさん体験してきました。病人はつい生活を変えずに家にいると、鬱の状態になるでしょう。それを打ち破って外に飛び出すのが私の生き方なのだと思っています。なぜそれほどまでに私が向こうに惹かれるのか...それは、「命の重みに違いを感じる」ということだと思います。日本人は過保護なくらいに守られて生活しているでしょう。でもフランスは徹底的な個人主義だから、みなが自分を守っているんです。例えばパリには100歳を過ぎたお年寄りがたくさんいて、家にこもることなく、外を出歩いています。すべて守られた日本ではなく、緊張感を持って暮らす世界に、魅力を感じるんですね。日本も今後ますます高齢化社会になれば、自己主張をはっきりして、考えて行動しないといけないなと、毎回行くたびに思います。(写真は、南仏 エクス・アン・プロヴァンスの朝市にて)
・(Cさん)3泊4日で、思い切って友人と尾瀬に行ってきました!天気はまずまずでしたが、やっぱり良かったです。今まで2度行ったことがあるのですが、何もなくて変わらないところがいいですね。私は前から尾瀬の風が好きなんですが、ワタスゲ とか、ニッコウキスゲとかが、「よく来たね。がんばったね、いらっしゃい」って揺れている気がするんですよ。昨年の暮れから、何人か周りで親しくしていた人を亡くしたのですが、その人たちのことを胸の中で呼びかけながら、「一緒に来てくれているね」って思いました。山小屋で、いろんな人と話しが出来たのも、楽しかったです。
・(Fさん 男性)私は26年前に胃がんをしましたが、その後は順調で、もうすっかりがんとは縁がないと思っていましたが、今年の2月に胆管がんになりまして。11時間かかる大手術となったのですが、最近の麻酔技術は進歩しているのですね。目をつぶって目覚めると、気分も悪くないし、痛くもないし。また、最近は手術前に、医者が患者に、ありとあらゆる可能性をすべて説明し、脅かすものなんですね。昔はすべて内緒だったのですが。私としては、「もうこうなったら自分自身ではどうしようもないから、先生にお任せします。お手上げです。」という気分でした。今は普通の生活に戻り、幸い、転移はないとのことで、抗がん剤治療もせず、2か月ごとの検査だけ行っています。最近は、パール訪問看護センター社長の藤本さんに紹介していただいた「バイオラバー」を身につけたり、歩く気功を、散歩がてらやったりしています。これは一種の呼吸法なのですが、そういえば河野博臣先生が教えてくださったイメージ療法も、呼吸を大切にするものでした。入院時も思い出してよく深呼吸しながらイメージ療法をしたり、お腹から声を出すために歌を歌ったりしていました。最近はよく「カルテをみて顔をみない」医者が多いと言われますが、私の場合は、下荒神先生がまずは私の顔色を見てすぐに異常に気付いて下さり、よかったです。
・(Kさん 女性)私は肺がんの手術を受けましたが、今年でお蔭様で8年になります。途中で主治医の先生が変わって、今は近所の若い先生なんですが、行く度に「保健所の検診で見付かるなんて、珍しいですよ。良かったですね」と喜んで下さって。昨日も受診だったのですが、先生の言葉に明るい気持ちになって病院から出てきたら、すごくいい天気で、入道雲がまぶしくて、ふとこんな一首が浮かびました。
「 雲の峰 主治医の一喜 我が一喜 」


※ 今月のお花....ゼニアオイ(銭葵 アオイ科) ヨーロッパ原産。初夏から秋にかけて濃い桃紫色の小さい花を咲かせる。 タチアオイトロロアオイモミジアオイも同じ科。徳川家の家紋の「三つ葉葵」はアオイ科の葵ではない。