神戸いずみの会 公式ブログ

「神戸いずみの会」は、1982年から続く患者会です。

2014年6月例会

24日火曜日は、いいお天気で暑くなり、クーラーを入れました。新しい方をお迎えし、まずは自己紹介をしながら、いろんなアドバイスや想い出話で盛り上がりました。

・(Aさん 女性 新規)この会のことはネットで知りました。子宮体がんで去年の2月に手術しました。その後の抗がん剤は、途中でうつになり、決心して中止しました。昨年の夏は体が快復していくのがうれしくて割と調子がよかったのですが、冬に寒くなったころから体調が悪くなり、外に出られなくなりました。最近になってようやく、このような場に出てみる気になったのです。仕事を辞めたので、初めての専業主婦で、何をしたらいいのかわからず戸惑いながらやっと1年になりました。無理をすると、疲れが出て、精神的にも落ち込んでしまいます。現在は心療内科にも通院し、安定剤の処方を受けています。今一つすっきりせず、楽しみも見つかりません。力が抜けてしまった感じです。体より精神面でどう立て直せばいいのか。それが一番の心配事です。がんの原因は、仕事のストレスだと思っています。検査をしていますが再発はありません。
・(Bさん 男性)私もそうでした。最初の頃は、闘病記を読むのが怖くてね。でも何年前からか、「考えてもしょうがない、人生いろいろ」って思うようになり、今は闘病記を読むのは好きですね。その日その日が楽しければいいわって。携帯カメラで撮影しながら歩くこととか、野菜作りとか、楽しいですよ。今年すでにきゅうり、15,6本とれました。
・(Cさん 女性)私はAさんの逆です。乳がんになるまでが専業主婦でした。手術して退院後の不安な時期、主治医だった河野博臣先生に勧められた介護のボランティアをするようになり、生きがいを感じました。お年寄りや、がん患者の方とどう接したらいいかを、真剣に考える毎日が尊くて楽しくて、「こんな素晴らしいことないわ」って思っていましたね。そのおかげで病気もどこかへいったようです。また家では3人の娘たちが次々に結婚出産、まるで助産所みたいに里帰りのお世話に忙しくて。その延長で今の元気があるようです。私も畑作りをしていました。元々は夫が私のために「無農薬のいいものを」とはじめてくれたんです。植物の力強さを感じるだけでなく、土を触りながら、いつも数か月先を想像してわくわくし、前向きになれて、いいことづくしです。
・(Dさん 女性)Aさん、まだ道は見つからないでしょう。疲れて、不安で、昔の自分と比べて辛くなって...。私はずいぶん時間がかかりました。何回も再発しながら、生きる目的もなく、仕事もなく・・・「生きるのめんどくさいな」と思いながら、ただ診察日を待つだけ。でもね、出口の光は、自分でみつけないと、絶対に誰も見つけてくれないのよ。私はここへ来た頃、真っ黒の絵しかかけない人だった。でも、自分がどうすれば好きなことができるのか、あちこち行って、いいとこどりをして、獲得していったの。もがきましたよ。でも一人でこもってしまったらだめ。人とは比較しない。前の自分とも比較しない。自分をほめてやりながら、ね。生活を朝方にかえて、5時起きでウォーキングをすることもよかった。それが自信につながるのです。散歩友達をみつけたのも大きいです。でもこれまでに、何度も失敗もしてますよ。
・(Eさん 女性)夫もAさんと同じく、仕事で非常に忙しい中、病気になりました。でもその後、偶然に版画と出会い、興味を持ってのめりこみ、仕事と版画の両方に打ち込みました。再発の可能性が高かった最初のがんは、そのお陰で完治したのだと思います。晩年は版画三昧、すっかり版画家になってましたね!また私にとっても、すごく辛いこともありましたが、人生の中で必要なことだったとつくづく思っています。
・(Fさん 女性)Aさんは「がんになったのは、仕事のストレスのため」とおっしゃっていましたね。その時考えつくした結果が「仕事を辞める」だったのですから、正解だと思います。治癒とは、治すと癒す。病院は「治す」だけ。「癒す」はご自分がこれからすることではないでしょうか。これからの人生は、やりたいのにがまんしていたことをする時間にされては?心に余裕ができたら体も楽になると思います。→(Aさん)生活が仕事だけだったので、辞めたとたん、世界に一人になって、置いて行かれたような気分なんです。少しでも出て行かないと、話す機会がなくて、ますます引っ込んでしまうんです。→(Fさん)そう思って行動されたこと、素晴らしいです。同じ体験を持つ人とは、深く話しができます。10年以上かけても、光を見て一歩ずつ進んで下さい。
・(Dさん)いやなときは、いやなことをざーっとすべてノートに書きだすんです。悪口もすべて。そしてもう一冊のノートには、そのひとつひとつを客観的に見て感想を書くんです。「なんて厚かましい」とか「恵まれているくせにエラそうに」とかね。それを長い間やっているうちに、「いいやん。いいこともしたし、いいところにも行けたし」って受け入れることができるようになったんです。もっとのたうちまわらないとね。
・(Gさん 女性)夫は会社の健診で肺がんがわかりました。4年半で再発し、そこで仕事は退職しました。夫は病気をするまでは、どこへ行くのも車、地域の活動やボランティアなど、無縁の人だったのです。それが、歩いてお遍路に行ったり、ボランティアもどんどんやるようになって。外に出てたくさんのいい人たちとの出会い、すごく影響を受けたのです。最後に「やりたいことはできた ありがとう」と言ってくれました。だから、外にでたらきっと見つけられますよ。私も一人になったけれど、ウォーキングにでも行くと気分がかわります。ちょっとした花が咲いているでしょう。今までは雑草だと思っていたのに、「生きているものが愛おしい」と気づいたんです。外に出ることって大切だと思っています。